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2003年12月
お勧め度は ★★★★★ が最高 批評はタイトルをクリック
すべては愛のために (12/27更新)  自分の人生を変えてしまうほどの衝撃的な出会いをすることが、一生のうちに何度あるだろうか。でも、「かわいそう」という感情だけで利己的直情的に行動するようなヒロインは、動機が純粋なだけにかえって扱いづらいだろうな。 お勧め度=★★ 
イン・アメリカ (12/25更新)  シャワーが出なくても、エレベーターが止まっていても、家が貧乏でも、子供たちはそれを楽しんでしまう。もちろんそれは両親が子供たちに心配を掛けまいとしているからなのだが、子供たちの無邪気な姿にはほっとさせられる。 お勧め度=★★★ 
MUSA 武士 (12/23更新)  登場人物をそれぞれ血の通ったキャラクターとして描かれているし、戦闘シーンをリアルな迫力で満たそうという努力も十分伝わってくる。しかし、それらをすべて詰め込もうとしたため、かえってテーマがぼやけてしまった。  お勧め度=★★★ 
10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス(12/20更新)  7人の監督たちが、それぞれ持ち時間10分のなかでどれだけ自分の個性を出せるかというガチンコ勝負。全体的に見るとやはり10分というのは何かを語るには短すぎる。結局、7本見て3勝3敗1引き分けというところか・・・。 お勧め度=★★*  
飛ぶ教室 (12/18更新)  12歳の子供だったら楽しめただろう。友情、秘密基地、喧嘩、理解ある先生、校則破り、初恋etc. ここには少年少女が興味を持つ「勉強以外の大切なこと」がすべてある。でも、それは幻想に過ぎないことを大人なら知っている。 お勧め度=★★* 
エヴァとステファンとすてきな家族 (12/16更新)  '70年代映画のリバイバルかと思えるほど表現技術が稚拙で、会話のシーンになるとやたらアップを多用する。カメラの使い方を覚えたばかりの子供がおもしろがっているみたいなのだが、それを見せられる観客はおもしろくない。 お勧め度=★★ 
ヴァイブレータ (12/13更新)  やさしさと男の肌に飢えている女が、タイプの男が目の前を横切ったことで、ちょっとした非日常を体験するロードムービー。ヒロインと同じく少しいいものになった感じがする、そんな控えめな感想を持たせる抑えた演出が心地よい。  お勧め度=★★★* 
TAIZO(12/11更新)  泰造の写真に対する思いにもう一歩踏み込んだ取材がなされておらず、過去に出た話の焼き直しばかり。監督が過去の資料を確認しているだけなのだ。その過程で少なくとも今までに語られたことのない泰造像をつむぎだすべきだった。 お勧め度=★★  
ファインディング・ニモ (12/9更新)  「息子を探して冒険の旅に出た父」と知っただけで、本来魚の捕食者であるクジラは飲み込んだ父親魚と同伴者を吐き出すし、ペリカンも食べようとして捕獲した彼らに対し一転協力者になる。なんなんだ、このご都合主義は。 お勧め度=★★ 
ラスト・サムライ (12/6更新)  人の一生は、どう死んだかではなくどう生きたかでその価値が決まる。トム・クルーズは武士道を語ることで、美学を持った生き方を貫くことは容易ではないが、日本政府と日本人にもっと自分たちの生き方を主張せよ、という強力なメッセージを送る。 お勧め度=★★★★ 
バッドボーイズ2バッド (12/4更新)  戦闘シーンは派手な銃撃戦を繰り返すだけだし、カーチェイスは破壊と暴走を羅列するだけ。その一方でマイアミの1地方警察がキューバという国家の主権を侵すようなことを平気でする厚顔さにはあきれてものが言えない。 お勧め度=★  
女はみんな生きている(12/1更新)  逆襲する痛快さ、復讐する爽快さ。男たちに虐げられてきた女たちが意を決して男たちの支配に挑む。洗練されたエスプリと因果応報のアイロニー、そしてスピーディで歯切れのよい展開が一体となった今年いちばんの傑作だ。 お勧め度=★★★★*  
   

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2003年11月
お勧め度は ★★★★★ が最高 批評はタイトルをクリック
ブラウン・バニー (11/29更新)  ロードムービーといえば移動する途中で様々な人や事件と出会い、旅の前と後では主人公に変化が訪れているはずだ。ところがこの作品は、他人と関わるのかと思ったらすぐに突き放し、事件も起きないずひたすら退屈する お勧め度=★ 
フォーン・ブース (11/27更新)  やたら尊大だが、実は小心者の主人公が「神の声」ともいえる電話の声に脅迫される様子を、コリン・ファレルのほぼひとり芝居で描ききる。電話という小道具をうまく使いこなし、なかなか冴えた1幕芝居を見ているようだ。 お勧め度=★★★★ 
イン・ディス・ワールド (11/25更新)  ここで描かれるのは不法移民たちの痛々しいまでの現実だ。ドキュメンタリー番組を見ているようなリアリティのなかには、今日1日の身の安全と食べ物を確保しなければならないという切実な生きるための欲求が凝縮されている。  お勧め度=★★★★ 
シャンハイ・ナイト(11/22更新)  新作が出るたびに、使われている小道具は変わるが毎回同じようなアクションとストーリー、なんのひねりもないエンディング。それはそれで安心して見ていられるが、年々ジャッキーの体のキレが失われていくのが悲しい。 お勧め度=★★★  
キューティ・ブロンド ハッピーMAX (11/20更新)  他人の陰口など一切気にせず、自分の決めた道をまっしぐらに突き進むヒロインの行動力・突破力は爽快で、感動的ですらある。しかも単なるコメディタッチのサクセスストーリーではなく、奥深い人生訓まで示唆してくれる。 お勧め度=★★★ 
再見(ツァイツェン) また逢う日まで (11/18更新)  幼い頃に生き別れになった4人の兄弟姉妹が20年後に再会するまでを、彼らが幼い頃の家族の思い出と共に綴る。ところが、本来ならこういう親子兄弟の愛を描いているの作品は涙を誘うものなのに、どうも感情の行き場に戸惑う。 お勧め度=★★  
サロメ (11/15更新)  ダンサーたちのピンと伸ばした指先まで張り詰めた感情には鬼気迫るものがあるし、鍛え上げられた肉体から発するエネルギーには圧倒される。しかし、舞踏劇を作った人間たちのドラマを語らないので、映画的な奥行きには欠ける。 お勧め度=★★* 
阿修羅のごとく(11/13更新)  役柄をよく理解した出演者たち、細かいところまで目の行き届いた演出、そしてテンポのよい脚本。どれをとっても職人芸を思わせる円熟味を感じさせる。この作品には人生を平穏に生きようとする女の知恵が凝縮されている。 お勧め度=★★★★ 
ひめごと (11/11更新)  若い女が美貌を駆使して成功しようという上昇志向なのか、性へのタブーを解放することで自分探しをするのか。しかし、2つのテーマは両立せず、中途半端なスタンスのため、2人の女優のハダカ以外は見るべきものが乏しい。 お勧め度=★★ 
マトリックス・レボリューションズ (11/8更新)  物語の中心を「ザイオン攻防戦」に置いているためマトリックス内での映像はほとんどない上に、「リローテッド」で出てきた人物にも活躍させるため、モーフィアスはその他大勢扱い。要するに話を広げすぎて収拾がつかないのだ。 お勧め度=★★* 
死ぬまでにしたい10のこと (11/6更新)  悪性の腫瘍のために余命わずかと宣告されたヒロインは、死ぬまでにしたいことのリストを作る。だが、誰にも告げず自分の思いだけを優先させるこのヒロインは、一見周りのことを思っているようだが自分勝手な女にしか見えない。 お勧め度=★★* 
天使の肌(11/4更新)  少女の肩に乗ったカモが広げた翼を静かに閉じるという、天使が舞い降りたようなファーストシーンの詩的な美しさに心が躍った。ヴァンサン・ペレーズの演出は抑制と省略が静かなハーモニーを奏で、切ない愛の物語に静かな躍動感をもたらす。 お勧め度=★★★★
アイデンティティ (11/1更新)  多重人格者の妄想を映像にしているが、これだと最初から観客をどんなにミスリードしても、「多重人格者の妄想だよ」というエクスキューズであらゆる矛盾をチャラにできる。見終わった後でしてやられたという妙な爽快感があった。 お勧め度=★★★* 
   

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2003年10月
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ティアーズ・オブ・ザ・サン (10/30更新)  戦争アクション、ヒューマニズム、人間の良心、そして混迷の世界情勢、そうしたものをごっちゃ煮にしてうまく整理されていないため中途半端な印象になってしまった。主人公の変心の理由をきちんと描いて欲しかった。 お勧め度=★★* 
キル・ビル (10/28更新)  この作品のどこにクリエイティビティを見出せというのだろう。ブルース・リーから深作、果てはハリウッド映画の名作の中から使えそうなシーンを切り取りつないでいるだけ。これでは先達の残した偉業に対し失礼千番だ。 お勧め度=★★ 
フレディVSジェイソン(10/25更新)  「エルム街の悪夢」のフレディと「13日の金曜日」のジェイソンがもし戦えばどっちが強い? 決着はつかないことぐらい見る前から想像はつくが、誰もが想像する夢の対決を実現させたことで、この作品は半分成功したようなものだ。 お勧め度=★★★*  
恋は邪魔者 (10/23更新)  舞台となった1962年のニューヨークというよりは、当時の映画作りを忠実に再現しようとしていて楽しめる。だが、そこに描かれるラブストーリーは散々描かれてきた時代遅れのもので、見ているうちに気持ちが削がれていく。 お勧め度=★★* 
マグダレンの祈り (10/21更新)  性的な行き過ぎがあっただけに過ぎない少女たちが、強制的に刑務所のような修道院に収容され虐待される。この作品は、希望という甘い幻想は悲しみをもたらすだけで、時に怒りや憎悪のほうが人間を強くすることを教えてくれる。 お勧め度=★★★★ 
リーグ・オブ・レジェンド (10/18更新)  それなりにCGやロケ、大道具小道具等にはカネはかかっている。登場人物たちもクセ者ぞろい。きちんとした脚本と演出がそろえばきっと血沸き胸躍る大活劇映画になっただろう。だが、上映中どうしようもない退屈が襲う。  お勧め度=★ 
インファナル・アフェア(10/16更新)  他人の信用に付け込んだ挙句、裏切る。相手の信頼を得れば得るほど、裏切り者は人間としての尊厳を失っていく。そのあたり互いに敵の組織に潜入した二人の苦悩をもう少し踏み込んで描いていれば奥行きが出ただろう。 お勧め度=★★★* 
蕨野行(わらびのこう) (10/14更新)  生きることがすなわち食べることだった時代、体力的に弱ってきた老人たちは山に捨てられる。それでも、確実に訪れる死をただ待つのではなく、むしろ生き抜いてやろうという気概を見せる老人たちの心意気はすばらしい。 お勧め度=★★★* 
陰陽師2 (10/11更新)  中井貴一が悪役も、深田恭子が男勝りの姫を演じても、所詮は野村萬斎の引き立て役。野村の常に笑みを称えた口元と涼しげな目元、そして所作の美しさ。既存の俳優にはない圧倒的な存在感がこの作品を支えている。 お勧め度=★★★ 
マッチスティック・メン (10/9更新)  異常に潔癖な詐欺師が、生き別れになっていた娘と再会したことから神経症から解放されていく。そして、大きなヤマに挑むが・・・。今日本でもはやっている「オレオレ詐欺」を大掛かりにしたような話だが、少し後味が悪かった。  お勧め度=★★★ 
たまゆらの女(10/7更新)  時間軸に沿ってストーリーを語ればヒロインが恋人を愛する気持ちがよく理解できたはずなのに、現在、過去、大過去を混在させるような編集をしたため、とりとめがなくて時間の経過が分からず無用な混乱に陥ってしまう。 お勧め度=★★ 
S.W.A.T. (10/4更新)  前半のSWAT隊員のリクルートから始まってトレーニング風景、そして隊員各自のプライベートを描いているシーンは比較的好感をもてたのに、後半、麻薬王を救出しようとするギャングとの戦いになると急につまらなくなる。 お勧め度=★★* 
サハラに舞う羽根 (10/2更新)  主人公が臆病者のレッテルを返上するために戦地であるスーダンに赴くが、19世紀末という時代に何のコネも準備もなくとりあえずスーダンまで行けば何とかなると思っているのは、勇気などではなくただ無鉄砲なだけだろう。 お勧め度=★★ 
   

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2003年9月
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ロボコン (9/30更新)  本物のロボコンに即したルールで作られたロボットたちが精巧にできている。しかも試合で突飛な裏技を使ったりせず、説得力のある勝ち方をする。ロボットのリアリティにこだわったところがこの作品を実りあるものにしている。 お勧め度=★★★ 
クジラの島の少女(9/27更新)  英語を話し、ナイフとフォークで食事をし、西洋風の住居に住んでいるのに、メンタル面では男尊女卑の強い先祖伝来の風習が色濃く残っている部族。旧習に縛られ身動き出来ない祖父と自由な心をもつ孫娘の対比がおもしろい。  お勧め度=★★★* 
トゥームレイダー2 (9/20更新) アンジェリーナ・ジョリー扮するヒロインが魅力に欠けるために物語に奥行きが出ない。女としての魅力というのではなく、連続活劇ものの主人公としての魅力に欠けるという意味だ。アクションもテンポがずれていて退屈。 お勧め度=★* 
閉ざされた森 (9/18更新)  この作品は描き方としてはインチキではないのか。トリックがあるわけでもなし、最初から観客をミスリードするような展開を用意しておいてさんざん混乱させた挙句、最後にとってつけたようなどんでん返しが待っている。 お勧め度=★ 
シモーヌ (9/16更新)  コメディと思えばアル・パチーノのドタバタした演技も無理なく受け入れられるが、スタイリッシュな映像にこだわるあまり彼ひとり浮いてしまった。ウィノナ・ライダーが生身の人間の演技力を見せてくれたのが救いだった。 お勧め度=★★*  
呪怨2(9/13更新)  怖がらせ方が前作から進歩していないし、白塗り幽霊が出てくるタイミングが予想できるので怖さはない。出産シーンはあまりにもばかばかしいし。せっかく怖いもの見たさで映画館に入ったのに、腹を抱えて笑うとは・・・。 お勧め度=★★ 
座頭市 (9/11更新)  たけし独特の間の取り方はこの作品でも実に効果的。合間にはさまれるユーモアも切れ味がよい。なによりチンピラどもをバッタバッタとぶった斬り、血しぶきの雨を降らせるダイナミックな映像は黒沢作品に通じるものがある。 お勧め度=★★★* 
ファム・ファタール (9/9更新)  デ・パルマ監督は'70年代風の作り方にこだわるが、古くから映画を見ている人間はこのテイストにノスタルジー感じても、デジタル化の流れの中で頑固に手書き原稿にこだわる小説家のような作風は退屈以外のなにものでもない。 お勧め度=★★ 
アダプテーション (9/6更新)  妄想と現実、陰と陽、表の顔と裏の顔。この作品にはそういった映画的イマジネーションが豊富に盛り込まれている。時間軸が頻繁に前後する編集も次の展開の伏線となり、スピーディな語り口は一瞬の気の緩みも許さない。 お勧め度=★★★★ 
28日後...(9/4更新)  なんで今頃またゾンビ映画なんだ。あまりにも貧困な発想と予想通りのありふれた展開に、退屈とあくびをかみ殺すのに苦労した。ダニー・ボイルの名前だけでこんなものを公開しては金を払った観客に対して失礼だろう。 お勧め度=★ 
ワイルド・スピードX2 (9/2更新)  市販車を改造して一般道で競走するストリートレーサーを主人公に、疾走する改造車のスピード感を体感する。4台の改造車によるストリートレースはゲームセンターにいるような錯覚に襲われるほど、疾走感にこだわる。お勧め度=★★* 
   

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2003年8月
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ゲロッパ! (8/30更新)  親分のために一肌脱ごうという子分の気持ち、生き別れた娘にひと目合いたいという父親の愛情というベタな人情モノなのだが、それがつぼにはまって、笑わせたり泣かせたりという日本映画の古きよき伝統を継承している。 お勧め度=★★★*  
天使の牙 (8/28更新)  警察映画としてはキャラクター設定がめちゃくちゃだし、犯罪組織を描いているわけでもない。ラブストーリーなのかと思ったが、その愛には切なさがない。すべてが中途半端で、映像だけはイケていると思っているようだ。 お勧め度=★* 
パンチドランク・ラブ(8/26更新)  映画のときめきを満載した作品だ。意外なストーリー展開、魅力あるキャラクター、計算されたカメラアングルと美しいシーン。緻密に刈り込まれた編集作業に無駄なシーンはなく、上映時間があっという間に過ぎていく。 お勧め度=★★★★* 
HERO 英雄 (8/23更新)  原色を強調した映像の中では、秦王の黒ですら鮮やかな印象を残す。そこで繰り広げられる武術の数々。鍛え上げられた技に特撮とCGを加えることで相乗効果を生み、さらに細密なカメラワークで抜群の視覚効果を生む。お勧め度=★★★★  
コンフェッション (8/21更新)  人気テレビ番組のプロデューサーが実はCIAの殺し屋だったと告白する。しかし、この「告白」自体がテレビという虚飾と虚構に満ちた世界で生きてきた原作者バリス自身が作り上げたハッタリの世界ではないのだろうか。 お勧め度=★★★
10日間で男を上手にフル方法 (8/19更新)  ラブコメの常道として、恋の主導権を握っているのは女、というのは女性客を意識したつくりであることは理解できる。しかし、ここに描かれる恋はロマンティックなものはひとつもなく、あるのは空疎な駆け引きばかりだ。 お勧め度=★★ 
名もなきアフリカの地で(8/16更新)  第2次大戦中、アフリカの大地でさまざまな人間に触れ合うことで成長していくドイツ系ユダヤ人一家を描いているが、同じ時期にドイツやナチ占領地域に残っていたユダヤ人の運命と比べると、彼らの境遇は天国のようだ。  お勧め度=★★★ 
永遠のマリア・カラス (8/12更新)  晩年のマリア・カラスは、亡き元夫・オナシスを思いつづけ、声の衰えを自ら悟りながらももう一度「トスカ」を歌いたいと言い出す。愛に生き、歌に生きた自分の人生の総決算は、このオペラしかないと思ったのだろう。お勧め度=★★★★ 
パイレーツ・オブ・カリビアン (8/9更新)  ジョニー・デップの怪演がこの映画をとても魅力的にしている。少しネジが外れたようでも冷静な計算が働き、剣の腕も立ち行動力もある。男くさい「海賊の船長」役は、彼にとっては「シザーハンズ」と並ぶ代表作となるだろう。 お勧め度=★★★* 
フリーダ (8/7更新)  胸から下をギプスで固められた時、フリーダの絵を描くことへの情熱は燃えたぎる。そして描かれた自画像の数々は、自己の内面を表現する。体の自由がきかない分、心理的にも冷静になり、自己分析のような絵を描くのだ。 お勧め度=★★★ 
藍色夏恋(8/5更新)  台湾の高校は共学でもクラスは男女別なのだろうか。よく学校で見かける顔だが、よく知らない相手に恋をする。女子高生の気まぐれな女心をきめ細かく描き、それに翻弄される男子の純粋さがかえって幼く見える。 お勧め度=★★★ 
ハルク (8/2更新)  主人公の二人は30歳ぐらいだろう。いまだに父親の影響下におかれ、独立した個人とはいいがたい。いい年した大人がファザコンに苦しむ姿はみっともない。アメリカでも成人の精神の低年齢化が進んでいるのだろうか。お勧め度=★★ 
   

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2003年7月
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ライフ・オブ・デビッド・ゲイル (7/31更新)  執行3日前の死刑囚から冤罪の訴えを受けたジャーナリストが、残された時間の中で真実を探ろうとする。死刑囚の訴えは本当なのか。ただの延命行為なのか。しかし、この結末にはだまされたという感じはぬぐえないだろう。 お勧め度=★★*  
茄子 アンダルシアの夏 (7/29更新) どこまでも青い空、地平線の彼方まで続く道。疾走する自転車の躍動感。自分が見捨てたのに、自分を見捨てたと故郷を憎む男が持つ故郷への複雑な思いは共感を呼ぶ。47分の短い時間に凝縮された熱い思いはほろりと胸を打つ。 お勧め度=★★★* 
セクレタリー(7/26更新)  冒頭、拘束棒に両手をつながれた秘書が書類やコーヒーを持って部屋や廊下を流れるような動きで移動するシーンは、これから始まる物語が尋常ならざるものだと予感させる。しかし、それは最後まで続かない。 お勧め度=★★*  
踊る大捜査線 THE MOVIE 2 (7/24更新)  前作も辟易したのだが、なぜこんなにも蛇足が長いのだろう。事件解決から15分ほどだらだらと後日談を垂れ流す。それまでの盛りだくさんのエピソードと、畳み掛けるようなテンポがまったく最後になってぶち壊しだ。お勧め度=★★* 
マイ・ビッグ・ファット・ウェディング (7/22更新)  排他的な社会を形成しているシカゴのギリシア人移民の娘が、米国人青年と結婚するまでをコミカルに描く。しかし、移民が受ける偏見を実体験として持っていない人間が見ても共感は得られないだろう。 お勧め度=★★* 
エデンより彼方に (7/19更新)  プールに黒人の少年が入ったとたん、白人全員がプールから上がりその後誰もプールに入ろうとしない場面は、頭では理解していても感情では捨てきれないという、皮膚感覚レベルの偏見を描いた秀逸なシーンだ。 お勧め度=★★* 
デッドコースター(7/17更新)  死ぬ運命の人間がどういう死に方をしていくのか。その死に至る過程の描き方が絶妙で、死ぬぞ死ぬぞと思わせているうちは死なず、観客が安心したころに突然死がやってくる。そのあたりのアイデアがとても冴えている。 お勧め度=★★★ 
バトル・ロワイアルII 鎮魂歌<レクイエム> (7/15更新)  迫力のある戦闘シーンは作り手の意気込みが伝わってくるが、なぜ中学生同士が武器を手にして殺しあわなければならないかという根本の命題「BRU」にまったく説得力がないために、空疎な殺し合いにしか見えない。お勧め度=★★ 
ターミネーター3 (7/12更新)  新型ターミネーターがジョンを追い、旧型T800が彼を守るために送り込まれるというパターンは「T2」とまったく同じだが、ジョンとT800にアイデンティティクライシスという新たな課題を与え、物語に深みを与えている。 お勧め度=★★★*  
トーク・トゥ・ハー (7/10更新)  交通事故で植物状態になったバレリーナを介護する看護士。同じく脳死状態の闘牛士を見守るジャーナリスト。それぞれに愛する女を失いつつある2人の男が一方は喪失感を乗り越え、他方は喪失感に押しつぶされる。 お勧め度=★★★★ 
デブラ・ウィンガーを探して(7/8更新)  40歳といえばもう若くない。しかし、人生はまだまだ続く。そんな人生の中年期にさしかかった女優たちが仕事と子育ての両立について語る。インタビュアーのロザンナ・アークエット自身の自分探しの旅でもある。 お勧め度=★★★ 
ムーンライト・マイル (7/5更新)  婚約者を亡くした青年が自分の気持ちを殺しながらも、最後には自分の心を取り戻すというストーリーだが、主人公のジョーを演じたジェイク・ギレンホールの演技が抑えすぎで感情がほとんど伝わって来ない。 お勧め度=★★* 
スパイ・ゾルゲ (7/3更新)  ゾルゲと彼の日本人協力者・尾崎の情報収集活動を中心に描かれているが、散漫で焦点がボケている。あれもこれもと歴史上の出来事や彼らの周りの登場人物を丁寧に描きすぎたため、かなり冗漫になってしまった。 お勧め度=★★  
人生は、時々晴れ (7/1更新)  この作品の登場人物たちはみな負け犬だ。人生とは苦悩と絶望以外のなにものでもない。だが、小さくても目標をもてば、人生は自分で切り開くことができるし、その先に希望が見えてくることをこの作品は教えてくれる。 お勧め度=★★★* 
   

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2003年6月
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タイトル・日付
 
寸      評  
ミニミニ大作戦(6/28更新)  ストーリー展開自体よりカーチェイスに重点を置き、めまぐるしい動きを重視にしたために最後まで飽きることなく見ることが出来た。金塊の強奪・逃走に使う車をミニにしたところがこの作品に命を与えている。 お勧め度=★★★ 
チャーリーズ・エンジェル フルスロットル (6/26更新)  見終わって映画館を出るころには、ほとんどの人はストーリーを覚えていないだろう。感動することも考えさせられることもないが、1時間40分ほどの上映時間中は何も考えずに刺激と興奮だけでを過ごすことができる。 お勧め度=★★★* 
NOVO (6/24更新)  ほんの5分ほど前の出来事を覚えてないという記憶障害を持った男が主人公という点では、「メメント」同様だ。だが、語り部の視点を第三者にしてしまっため、生ぬるいミステリーのような味付けになってしまった。 お勧め度=★★* 
略奪者 (6/21更新)  強奪した金塊をトレーラーで運ぶうちに、人間の本性があらわになる、はずだった。だが、人間ドラマとしても中途半端、スリルを味あわせてくれるわけでもない。映像からにじみ出るのは砂漠の不快感だけだ。 お勧め度=★★ 
恋愛寫眞(6/19更新)  追いはぎにあったカメラマンが「日本好き」男に救われ、その男が死んだ恋人の撮った写真が未現像のまま残っているのカメラを持っている。こんな馬鹿げた偶然しか思い浮かばない脚本家がプロとして通用するのだろうか。 お勧め度=★* 
メラニーは行く! (6/17更新)  ニューヨークでの成功よりも田舎町の人情を選ぶヒロインに、アメリカ人の大多数を占める非都会人は共感を覚えるだろうが、南部アメリカ人の気質などを語られても、登場人物のニューヨーカー以上に理解の埒外だ。 お勧め度=★★ 
二重スパイ (6/14更新)  韓国に潜入した北朝鮮のスパイが、愛を手にした代償に祖国から捨てられる。この手の映画にありがちな派手なアクションは一切排除して、孤独の中でしか生きられない悲しいスパイの人生をスパイの視点から描く。 お勧め度=★★★* 
ザ・コア (6/12更新)  迫り来る地球滅亡の危機を急ごしらえの決死隊の卓越した能力と自己犠牲によって乗り越える、というよくあるストーリー。見せ場を作るために無理やり無用な危機を演出するが、リアリティがなく長く感じる お勧め度=★★ 
ホーリー・スモーク(6/10更新)  内容が支離滅裂であきれ果てた作品だ。ケイト・ウィンスレットがひとり裸で気を吐いているが、体の張りに乏しく胸も垂れ気味でとても官能的とはいえない。女性監督がエモーショナルに走りすぎた典型的な失敗作だ。 お勧め度=★ 
マトリックス・リローテッド (6/7更新)  映画の表現方法に革命をもたらした伝説的な傑作の続編ともなると、いやがうえにも期待は高まる。しかし、多くの続編映画と同様、気合が入っているのはわかるが、観客の目は肥えてしまって驚きは少ない。 お勧め度=★★★ 
アバウト・シュミット (6/5更新)  自分がもはや誰からも必要とされなくなったら人はどうするか。たった一人で孤独に生きるか、それとも誰かとのつながりを探し始めるか。晩年を迎えた男が、自分の人生の意味をもう一度問いかける。ジャック・ニコルソンが好演。 お勧め度=★★★★ 
トゥー・ウィークス・ノーティス (6/3更新)  予想通りの展開と絵に描いたようなラスト。金持ち男と金に縁のない女の恋という、ロマンティックコメディの王道を行くような作品だが、人物をきちんと描きディテールを持たせることで最初から最後まで楽しませてくれる。 お勧め度=★★★* 
   

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2003年5月
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タイトル・日付
 
寸      評  
六月の蛇(5/31更新)  モノクロームの映像、スタンダードサイズのスクリーン、降り続く土砂降りの雨。心の奥を覗きながらも、そこに潜む欲望を開放させるとき、悩みを持った人間は生まれ変わり、映像はすがすがしく感じられるようになる。 お勧め度=★★★*  
8 Mile (5/29更新)  貧困・失業が蔓延するデトロイトを舞台に、ラップミュージシャンとして成功を夢見る若者が家族や恋人・友人たちとの葛藤を乗り越え栄光をつかむまでをリアルに描く。この映画でラップに対する考え方が180度変わった。 お勧め度=★★★★ 
ハンテッド (5/27更新)  米軍特殊部隊にいた元兵士が精神を病んで猟奇殺人を犯す。彼を鍛えた元教官が追っ手となり、彼を追い詰める。「ランボー」と「逃亡者」を足したような内容だが、脚本がぬるく演出にもキレがない退屈な作品だ。 お勧め度=★* 
春の惑い (5/24更新)  親友の妻はかつての恋人だった。上海から帰郷した医師はかつての思いを胸によみがえらせ、夫とうまくいっていない女は彼の決心を待っている・・・。よくある三角関係だが、濃密な映像の中に大人の分別を感じさせる。 お勧め度=★★★ 
めぐりあう時間たち(5/22更新)  ヴァージニア・ウルフと後世の彼女の読者が同じ感情を共有し、まるで作中の人物がのり移ったような行動を取る。社会的背景や取り巻く環境の違いでヒロインたちの生き方も違うが、そこに共通するのは閉塞感だ。 お勧め度=★★★* 
TAXi3 (5/19更新)  最近の「リュック・ベッソン印」は、くだらない映画の代名詞みたいになってしまっている。雪山でのアクションはスピード感に欠け、笑えないギャグの連発はコメディとしても消化不良。どっちつかず駄作になってしまった。 お勧め度=★ 
家宝 (5/17更新)  結婚後も愛人と付き合い、臆面もなく自宅のディナーに招いたり妻との旅行に同行させたりする男の心の内はどうなっているのだろう。カネのために夫の行状を我慢する妻に思いを寄せる幼なじみの男もまた悲しい。 お勧め度=★★★ 
メイド・イン・マンハッタン (5/15更新)  肉体労働者の女性が政界のプリンスに見初められ恋を成就させるという、文字通りの「シンデレラストーリー」。変に現代風にアレンジすることもなく、ストレートに演出しているところはかえって好感が持てる。 お勧め度=★★* 
少女の髪どめ(5/13更新)  イラン人青年のアフガン人少女への一途で献身的な行動を描く一方で、イランにおけるアフガン人不法労働者問題とイスラム社会の女性問題を描く。生きていくことのつらさ、難しさのなかで、少女が最後にもらした控えめな笑顔が印象的だ。 お勧め度=★★★* 
X−MEN2 (5/10更新)  今回はますますミュータントに対する風当たりが強くなり、強硬派の元軍人による本格的なミュータント狩りが行われる。異質なものを差別し排除しようというのはどの国・民族にもある感情なのだろう。超能力を持つのも楽ではない。 お勧め度=★★★* 
北京ヴァイオリン (5/8更新)  中国の地方都市の天才ヴァイオリン少年が父親とともに北京にやってきて、教えてくれる先生を探す。父が息子の可能性のためにすべてを捧げるというストーリーは一見涙ぐましいが、あまりにも濃い父子関係についていけない。 お勧め度=★★* 
魔界転生 (5/6更新)  魔界を表現するためのCGは最小限に抑えられていて好感が持てる。だが、天草四郎が何のために魔界からよみがえってきたかの動機が弱い。まあ、名だたる剣豪同士のオールスター夢の対決と思って見ればそれなりに楽しめる。 お勧め度=★★★  
愛してる、愛してない・・・(5/3更新)  恋人の誕生日に一輪のバラを贈る女学生の胸のときめきが伝わってくるようなプロローグは、繊細なラブストーリーを予感させる。しかし、それがすべて彼女の一途な片思いとわかった後、物語は上質なホラーの趣になる。 お勧め度=★★★* 
ボイス (5/1更新)  携帯で呪いが連鎖するという新手のホラーだが、いまどきあんな金属音を着信音に設定している女性はいるまい。怨念の謎解きに意外な展開もみせるが、よく考えるとほころびだらけ。なにより少女にあんな表情をさせるのは痛々しい。 お勧め度=★★ 
   

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2003年4月
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おばあちゃんの家 (4/29更新)  ソウルから田舎のおばあちゃんの家にやってきた少年。口もきけず耳も聞こえなくなった彼女を最初は馬鹿にしていたが、やがて深い愛に気づく。柔らかなまなざしと深く刻まれたしわだけで演技するキム・ウルブンの存在感は圧倒的。 お勧め度=★★★* 
ベッカムに恋して (4/26更新)  サッカー少女がインドの風習にこだわる両親との葛藤を克服し、栄光をつかむというサクセスストーリー。だが、肝心のサッカーよりも横道にそれる話が多すぎて集中できない。また、変にコミカルな演出をするため中途半端な印象だ。 お勧め度=★★ 
シカゴ(4/24更新)  素晴らしい歌と振り付けをスクリーンに再現したカメラワークとサウンドデザインは申し分なく、まるでブロードウエイの劇場でミュージカルを見ているような気分にさせてくれる。レニー・ゼルウィガーの芸の幅広さにも感激。 お勧め度=★★★★ 
ドリームキャッチャー (4/22更新)  導入部分はテンポもよく、少年時代の思い出なども挿入してあってスクリーンにひきつけられる。しかし、エイリアンが登場してからはお寒い展開だ。効果音とBGMでおどろおどろしさを演出しなかったのは救いだったが・・・。お勧め度=★★* 
ぼくんち (4/19更新)  幼い兄弟が貧乏にもめげずにたくましく生き抜く姿をコミカルに描く、はずっだった。だが、舞台となった水平島の街並みのリアリティに反して登場人物の描きこみがお粗末で、とてもちぐはぐな印象だ。これでは笑えない。 お勧め度=★★ 
ネメシス S.T.X (4/17更新)  このタイトルでは「スター・トレック」のシリーズ作品とは誰も思わないだろう。内容もピカード艦長のクローンが悪に染まった心で惑星連邦を攻撃しようという凡庸なもの。シリーズも10作目になるとやはり"勤続疲労"が出るものだ。 お勧め度=★★*  
WATARIDORI(4/15更新)  渡り鳥と同じ視線でとらえたカメラワークが素晴らしい。鳥たちと平行に飛びその表情を伝えたり、地面や水面すれすれに飛ぶ鳥を同じスピードで追う技術には驚嘆する。しかし、ずっと同じような映像の繰り返しには少し飽きるが。 お勧め度=★★★* 
デアデビル (4/12更新)  「バットマン」と「スパイダーマン」を見た後では、もはやアメコミの実写化には新鮮さを感じない。また、主人公のデアデビルより、敵役のブルズアイやキングピンのほうが強烈な印象を残すのはこの手の作品の宿命だろうか。 お勧め度=★★* 
クローサー (4/9更新)  荒唐無稽な話なので細かいツッコミはヤボなのだが、それでも全人類監視システムを使うようなヒロインには嫌悪感を覚える。また、香港の3大女優のバランスを考えすぎ、無理やり帳尻を合わすような展開だ。スー・チーはカッコいいが。 お勧め度=★★* 
the EYE [アイ] (4/8更新)  角膜移植手術を受けた女性が幽霊を見るようになるが、それはドナーの能力を受け継いだものだった・・・。 複数のホラー映画のエッセンスをつぎはぎにして一本の作品にまとめているだけで、オリジナリティは感じられない。お勧め度=★★ 
アナライズ・ユー(4/5更新)  精神に異常をきたしたマフィアのボスを演じるデ・ニーロを徹底的におもちゃにするプロローグはケッサク。「ウエスト・サイド物語」のナンバーは最高の見せ場だ。しかし、その後の話の展開はやや無理があり、作品自体のパワーも落ちる。 お勧め度=★★★ 
ブラック・ダイアモンド (4/3更新)  ジェット・リーの圧倒的な肉体能力を中心に、宝石強奪シーン、サンドバギーでのカーチェイスなどCGやワイヤーアクションにほとんど頼らない血の通ったアクションは、作り手の熱意が感じられる。パワーも最後まで落ちなかった。 お勧め度=★★★ 
24アワー・パーティ・ピープル (4/1更新)  80年代、音楽業界に新しいムーブメントを生み出した男たちが時代を駆け抜ける物語。しかし、登場人物に上昇志向はなく、音楽に対する熱い思いは伝わって来ない。この種類の音楽に興味がない人間にはつらい作品だった。 お勧め度=★★ 
   

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2003年3月
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スパイダー(3/29更新)  精神を病んでいる男が自分の少年時代を思い出す。少年時代の彼も妄想癖があり、妄想の中で妄想を見るという妄想の二重構造になっている。説明は一切なく、観客をいたずらに混乱させるようなクローネンバーグの意地悪さは好きになれない。 お勧め度=★★ 
処女(3/27更新)  美人でイケてる姉とデブでさえない妹。バカンス先の別荘地でどうやったら処女を捨てられるかあれこれ思い悩む姿がリアルで、対照的な2人の容姿が女の心理に及ぼす影響を見事に描いている。唐突なラストもフランス映画らしい。 お勧め度=★★★ 
青の炎 (3/25更新)  演劇界の巨匠が演出したクールな感じの映像は、主人公の孤独をよく表現していてカメラワークも計算されている。しかし、肝心の主人公ふたりのへたくそな演技は、計算外だったようだ。なぜ舞台のように厳しく指導しないのだ? お勧め度=★* 
過去のない男 (3/23更新)  暴漢に襲われ記憶を失った男が、助けてくれた人たちに希望という恩返しをする。「人生は前にしか進まない」というポリシーの元、次々と周りを変えていく男。押し付けがましくなく、力の抜けた自然な形で進むので味わい深い。 お勧め度=★★★★ 
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン (3/20更新)  スピルバーグが、映画を「見せる」ことより「物語る」ことに比重を置き、語り口も軽妙でテンポもよい。なにより、感情の押し付けがなく後味がさわやかだ。ディカプリオも16歳の天才詐欺師を好演し、60年代を再現したセットも秀逸。 お勧め度=★★★★ 
リロ & スティッチ(3/18更新)  地球に落ちてきたエイリアンが孤独な少女と心を通わすという、ありふれたストーリー。キャラクター設定も陳腐で、まともな大人なら退屈するだろう。「トイ・ストーリー」や「モンスターズ・インク」を期待すると肩透かしを食う。 お勧め度=★ 
抱擁 (3/16更新)  150年前に活躍した英国詩人が不倫相手に書き残した直筆の手紙。それを偶然発見した博物館研究員が大学講師と共に真相を探る。通信手段が手紙しかなかった時代のコミュニケーションは、相手を想う気持ちをより膨らませる。 お勧め度=★★★ 
ヘヴン (3/14更新)  運命に定められた二人がすれ違うのではなく、結ばれる。「ふたりのベロニカ」の別バージョンだ。アルヴォ・ペルトのキリスト教的音楽が胸に染み渡り、天国とはどこかにある場所ではなく、心の状態であることを教えてくれる。 お勧め度=★★★* 
ダイ・アナザー・デイ (3/12更新)  プロローグでボンドが北朝鮮につかまるハプニングがあり、使い捨てスパイの悲哀を描くのかと思わせたが、その後は毎度お馴染みの展開。荒唐無稽もここまで来るとたいしたものだが、あのボンドカーはハリー・ポッターのパクリだろう。 お勧め度=★★  
kissingジェシカ (3/10更新)  ニューヨークのキャリアウーマンもかなり肩の力が抜けてきた。エグゼクティブ目指してバリバリ働くより、恋と人間関係に悩んでいる。そんなヒロインが選んだ同棲相手は女性。「最先端」という押し付けがましさがなく、好感が持てる。 お勧め度=★★★* 
歓楽通り (3/7更新)  「運命の女」を幸せにすることが自分の幸せと信じる、娼館で生まれ育った男。しかし、この男が運命の女に尽くせば尽くすほど、女は不幸になっていく。見返りを求めない愛というのは、結局自己満足でしかないのだろうか・・・。 お勧め度=★★★* 
ダークネス (3/5更新)  アメリカ人一家が引越した新居に40年前に殺された子供の幽霊が出る。でも、恨みがあるならその一家の子供ではなく、自分たちを殺したものへ復讐すべきだろう・・・。あらゆるプロットが場当たり的で、矛盾した展開に鼻白む。 お勧め度=★*  
エルミタージュ幻想 (3/3更新)  90分の上映時間を1カットで撮影するという壮大な実験映画。美術館の迷宮での退屈な展開が、クライマックスの大舞踏会シーンで一気にはじけ、流麗なカメラワークの裏で繰り広げられたリハーサルの厳しさを物語る。 お勧め度=★★★ 
ビロウ (3/1更新)  潜水艦映画にホラーの要素を取り入れた試みは新しいが、見事に失敗している。大体、殺した人間のことをいちいち気にかけておびえていたら戦争などできまい。ただ、爆雷やフックで攻撃を受けるシーンのゾクゾクする演出は見事だった。 お勧め度=★★ 
   

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2003年2月
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ホワイト・オランダー (2/27更新)  エキセントリックな母親が服役したことから10代のヒロインが体験する様々な里親とのかかわりを描く。一方で、母親は塀の中からでも娘の人生を操ろうとする・・・。作品自体に熱意が感じられず、何を訴えたかったのか不明。 お勧め度=★*  
1票のラブレター (2/25更新)  宗教的因習の男尊女卑が色濃く残る小さな島の選挙。選管委員のヒロインが住民に選挙の意味を説き丁寧に投票のお願いをするシーンは、公務員のあり方を示唆する。最後に投票した兵士の1票が、いつまでも心に余韻を残す。 お勧め度=★★★★ 
ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔 (2/22更新)  前作では主人公・フロドの精神的成長が描かれ多分に感情移入が出来たが、今回のフロドはもたもたしているだけ。CGの戦闘シーンも延々見せられると食傷気味になる。物語は3時間かけて進展はなく、結局問題を先送りしただけだ。 お勧め度=★★ 
戦場のピアニスト (2/20更新)  ユダヤ人にもナチ協力者がいたし、ドイツ軍にもユダヤ人を助けた将校がいる。ハリウッドではあまり描かれなかったホロコーストの一面をきちんと描き、物語に深みを持たせている。その一方で、語り部となるピアニストの存在感は控えめだ。 お勧め度=★★★*  
13階段 (2/18更新)  死刑囚の冤罪を晴らすために刑務官と元服役囚が証拠探しをする。しかし、凶器も自白もないのに被疑者に死刑判決が出るのも変だし、事件から10年も経っているのに、警察が見落とした物証を調査の素人が発見できるものだろうか。 お勧め度=★★ 
猟奇的な彼女 (2/16更新)  「殺されたい?」と毒づき容赦なく殴る彼女はとてもエキセントリックで心をつかむ。演出も笑いのツボを押さえていて、落としどころを心得ている。だが後半、猟奇的でない彼女の素性が語られるのつれ、彼女は魅力を失っていく。 お勧め度=★★★  
レッド・ドラゴン (2/14更新)  A・ホプキンスのレクターあってのシリーズなのに、彼は始まってすぐ逮捕される。その後は幼児期の悲惨な体験が異常犯罪者を生むという手垢にまみれた話に堕する。原作になくても、レクターのトラウマこそ描く価値があるはずだ。 お勧め度=★★* 
アレックス (2/12更新)  神経を逆なでする効果音と不安定なカメラワークの不愉快極まりない凄惨な殺人シーン。観客は吐き気をもよおすほど不快なプロローグを延々と見た後、映画が時間を逆行する過程で、残酷なのは暴力ではなく時間であることに気付く。 お勧め度=★★★★  
ストーカー(2/10更新)  心に深い闇を持った人間に自分のプライバシーを知られてしまうことの恐ろしさ。イメチェン中のロビン・ウィリアムスが張り付いたような笑顔で恐怖を誘うが、いまだ善人のイメージを引きずっていて、中途半端な怖い人で終わっている。 お勧め度=★★* 
裸足の1500マイル (2/8更新)  陽光とオージースマイルの国にもあった忌まわしい人種差別の歴史を、ハリウッド帰りのフィリップ・ノイスがきちんと評価する姿勢は素晴らしい。ただ、原住民の文化や生活の説明が乏しく、砂漠を1500マイルも歩いて逃げるという設定に説得力が欠ける。 お勧め度=★★★ 
ボウリング・フォー・コロンバイン (2/6更新)  米国内に多発する銃の乱射事件をドキュメンタリー作家が追う。被害者の悲しみを語るだけの湿っぽい内容とは一線を画し、企業、マスコミ、果てはチャールトン・ヘストンにまで次々に湧き上がる疑問を体当たりでぶつける姿勢は、ジャーナリストとして見習いたい。 お勧め度=★★★★ 
トランスポーター(2/4更新)  火薬と銃弾を派手に使うという、ハリウッドの悪習を引きずってしまったために、大味な作品になってしまった。なんでもっとフランスの古い石畳の狭い道路という、カーチェイス映画を作るには最適の環境を活かさないのだろうか。 お勧め度=★★  
呪怨 (2/2更新)  観客を怖がらせる映像テクニックだけを追求している映画。最初の30分ぐらいはゾッとするが、恐怖の描き方がワンパターンで後半は展開が読めてしまう。女の幽霊も怨念の背景が描かれていないので、貞子(「リング」)のような怖さはない。 お勧め度=★★ 
   

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2003年1月
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イナフ (1/31更新)  DV夫のストーキングから逃げ回っているだけではなく、暴力には暴力をとばかり格闘技の訓練を受けて反撃するヒロイン。専業主婦が短期間に忍者ばりの身のこなしと格闘術を身に付ける設定は、お粗末過ぎてかえって笑える。 お勧め度=★★  
壬生義士伝 (1/29更新)  東北の貧乏藩を脱藩して新撰組隊士になった男の物語。前半は映像感覚や音楽の使い方もクールな感じがしたが、後半、お涙ちょうだいものになったため、一気に失速する。中井貴一が息絶えるシーンがくどくて見ていられない。 お勧め度=★★* 
僕のスウィング  (1/27更新)  せっかくジプシー音楽という情熱的で官能的な題材を取り上げているのに、いつのまにか「少年の日の淡い初恋」みたいな通俗的な話になってしまった。あのままジプシー音楽の真髄を見せてくれれば、幸せな気分で映画館を後に出来ただろう。 お勧め度=★★ 
ボーン・アイデンティティー  (1/25更新)  大量の爆薬や銃弾で派手に暴れまわるだけのスパイアクションとは一線を画した、大人の鑑賞に耐えうるサスペンス。原作のテイストを失うことなく大胆に物語を整理した脚本と、マット・デイモンの無駄のない格闘シーンは、映画的に洗練されている。 お勧め度=★★★★ 
アウトライブ (1/24更新)   最近の韓国製SFXワイヤーアクションは粗悪品ばかりだ。この作品の見せ場である剣術の決闘シーンもただ無駄に高速回転するだけで、ローアングルのカメラも鑑賞の妨げになるだけの代物。物語も、秘伝書争奪戦なのか命がけの愛なのかはっきりしない お勧め度=★* 
オールド・ルーキー (ワーナーマイカル新百合ヶ丘・1/22更新)  メジャーリーグのマウンドに立つという夢を持ち、35才にして叶えたピッチャー。だが、肝心の夢を実現するためにどういう努力や工夫をしたかがまったく描かれていない。この映画のように、大して努力もせずに夢が叶ったら、誰も悩んだりしないだろう。 お勧め度=★★ 
ウォーク トゥ リメンバー (新宿武蔵野館・1/20更新)  不良高校生がまじめな女子生徒と付き合い始めて人生観を変えていくという、手垢のついたラブストーリー。しかも輪をかけるような悲しい別れが待っている。ティーンエイジャーにはオススメだが、大人が直視するには少し気恥ずかしい作品だ。 お勧め度=★★* 
バディニョールおじさん (テアトル・タイムズスクエア・1/18更新)  ナチ占領下のパリで独軍の御用商人になった食料品店のオヤジがユダヤ人の少年を匿ううちに、フランス人としての誇りを取り戻す。それにしても、戦後生まれの作家による戦時中の物語には、どこかユーモラスで緊張感が欠けているのはなぜだろう。 お勧め度=★★★  
ゴーストシップ (109シネマズ港北・1/16更新)  B級ホラー映画の王道を行く作品。BGMは肺腑に響く重低音と、絹を引き裂くような高音で感情を刺激し、映像はおどろおどろしさを極める。一方で、豪華客船のきらびやかさを対比させる演出はニクい。物語はお粗末だが、冒頭の殺戮シーンは見物だ。 お勧め度=★★* 
運命の女 (渋谷ジョイシネマ・1/14更新)  包丁を振り回すような女でなくても、やっぱり女はコワイ。自分が不倫しているくせに、家族との平穏な日常生活を守ろうとするのはメスの本能なのだろうか。男たちは消費され、身を滅ぼしていく。ダイアン・レインの腹筋が見事な演技を見せてくれる。 お勧め度=★★★ 
草ぶきの学校 (岩波ホール・1/11更新)  中年になった男が美しく脚色した過去を振り返るという、よくある設定だ。それぞれのエピソードに深みがなく、また、つながりもないので散漫な印象はぬぐえない。それでもどこか懐かしいのは、切なさの余韻が残る美しいカメラワークのせいだろう。 お勧め度=★★* 
SWEET SIXTEEN (シネマ・カリテ・1/9更新)  作品全体を支配する絶望的な閉塞感と、そこから抜け出そうともがく15歳の少年。ただ家族そろって暮らすというささやかな夢でさえ叶えられないのか・・・。手持ちカメラとリアリズム演出のドキュメンタリーのようなケン・ローチの手法はこの作品でも健在だ。 お勧め度=★★★*  
「2002年あなたが選ぶベストムービー」結果発表(1/7更新)  第1位 たそがれ清兵衛  第2位 少林サッカー  第3位 ロード・オブ・ザ・リング  第4位 ハリー・ポッターと秘密の部屋  第5位 チョコレート  第6位 エトワール  第7位 8人の女たち  第8位 ビューティフル・マインド  第9位 ノーマンズランド  第10位 ロード・トゥ・パーディション  
スコルピオンの恋まじない (恵比寿ガーデンシネマ・1/5更新)  前作「おいしい生活」同様、ウディ・アレンのユーモアのセンスはすっかり毒気がなくなっている。90年代はインテリ階級の胡散臭さを皮肉たっぷりに描いた作品で大いに笑わせてくれたのに、この作風の転換はなんなのだろう。これじゃチンケなコメディだ。 お勧め度=★★* 
グレースと公爵 (シャンテ・シネ・1/3更新)  油彩画の背景に人物をCG合成するという天才的な発想には、凡百のCG映画が尻尾を巻いて逃げ出すだろう。優雅で温もりのある映像は、1コマ1コマがそれだけでアートとしての風格を持つ。物語は骨太な人間ドラマで、信念に命をかける人々を描く。 お勧め度=★★★★ 
   

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2002年12月
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マイノリティ・リポート (渋東シネタワー・12/7更新)  未来社会のディテールの描きこみは見事。しかし、濡れ衣を着せられた男が追われながらも陰謀を暴くという、ミステリーの王道のような物語の舞台をわざわざ2054年に設定しなくても・・・。それにしても、どうして観客の想像に任せるような結末にしないのだろうか? お勧め度=★★★* 
AIKI (テアトル新宿・12/10更新)  下半身不随になった青年の絶望の淵から再生という通俗的物語も、脇役の胡散臭さが新鮮で楽しめる。人々の善意と主人公の努力という感動の押し売りにしなかったのがよかった。ただ、もう少し車椅子の特性を生かした合気柔術のワザを見せて欲しかった。 お勧め度=★★★* 
夜を賭けて (シネ・アミューズ・12/12更新)  日本政府から見捨てられた上、祖国は分断という在日韓国・朝鮮人たちが、鉄くず拾いをしながらもたくましく生き抜く姿を描こうとしているが、ただ乱暴でうるさいだけ。すぐにどつき合いのケンカを始める同胞を見て、在日の人はどう思うのだろうか。 お勧め度=★ 
アイリス (シネスイッチ銀座・12/13更新)  哲学者・作家として名を成した女性が、アルツハイマー症で人格崩壊していく。彼女を崇拝し尽くしてきた夫は、介護の合間に美しかったころの妻との思い出に浸る。いつも一方通行の愛に、苦悩と満足の間を行き来する微妙な心情をジム・ブロードベントが好演。 お勧め度=★★★* 
刑務所の中 (シネクイント・12/15更新)  喧嘩もレイプも脱獄もない、日本の刑務所のぬるーい日常生活を描いた逸品。管理されることに慣れきってしまうと刑務所も快適という、視点が面白い。でもこんな人間ばかりだったら、いつかまた日本はファシズムの道に進みそうな危惧を持ってしまうが・・・。 お勧め度=★★★★ 
K−19 (109シネマズ港北・12/17更新)  旧ソ連軍潜水艦が舞台だが、ロシア人風俳優が出演していなので、映画は無国籍風。軍人の名誉と部下の命をはかりにかけるような決断を迫られたとき、司令官はどうすべきか。あえて無国籍風にしたのはどこの国の将校でも同じ苦悩を共有してるからだろう。 お勧め度=★★★ 
ブラッド・ワーク (渋谷東急2・12/19更新)  イーストウッドはいきなり「ダーティハリー」のように走り出す。しかし、寄る年波には勝てず心臓発作を起こす。それでも、相変わらずタフで女にやさしく子供に信頼される男として悪党と闘う。この映画を見る限り、彼はもはやハリウッドの老害になりつつある。 お勧め度=★★ 
ギャング・オブ・ニューヨーク (109シネマズ港北・12/21更新)  約1億ドルの制作費をかけてこんな支離滅裂な作品を作るとは、スコセッシ監督はあるで意味スゴイ。父親の復讐はずがチンピラの恋愛と手柄話にすり替わり、やっと敵討ちというという時には混沌が支配する。「G・ラズベリー賞」受賞間違いなしの迷作だ。 お勧め度=★* 
火山高 (渋谷東急3・12/23更新)  「マトリックス」と「グリーン・ディスティニー」の表現技術をそのままパクって無理やり学園ツッパリドラマにしているが、内容は空疎。とりあえずCGやワイヤアクションの映像テクニックを韓国人もマスターしてますよ、といいたかっただけのようだ。 お勧め度=★★ 
シャーロット・グレイ (シャンテ・シネ・12/25更新)  第2次大戦中、ドイツ影響下の南仏にスパイとして潜入し、レジスタンス活動を支援するシャーロット。しかし、戦争を恋愛ごっこの延長のように考えているこのヒロインには、命がけの任務におもむくという使命感が希薄。ケイト・ブランシェットの出来も悪い。 お勧め度=★★* 
デュラス 愛の最終章(BUNKAMURAル・シネマ・12/27更新)  フランスの女流作家・デュラスが最晩年を共にした38歳年下の愛人ヤン。わがままなデュラスに振り回されながらも、彼女が紡ぎだす魔法のような力を持ったフレーズの数々にヤンは抗えない・・・。ジャンヌ・モローがイジワルだが知性に満ちた女性を好演。 お勧め度=★★★ 

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2002年11月
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ダーク・ブルー (11/1 関内アカデミー)  第二次大戦中、ナチス統治を潔しとしないチェコ空軍パイロットが英空軍兵としてナチスと闘う話だが、戦時中と戦後の対比が秀逸。空戦シーンは大迫力のはずなのに、ドルビーEXの設備が映画館になく、おもしろさ半減。音響設備の整った映画館で見るべきだった。 お勧め度=★★★  
たそがれ清兵衛 (11/2 渋谷東急2)  東北の小藩に仕官している下級武士が主人公だが、置かれている境遇は現代のサラリーマンそのもの。しかし、決して悲観したりせず、自分を肯定して生きる姿は涙を誘う。真田広之の好演と山田洋次の職人芸が見事にマッチした逸品だ。 お勧め度=★★★★* 
ザ・リング (11/4 日比谷映画)  10年前に発表された原作の設定をそのまま使うとは・・・。DVD・パソコン時代にビデオをダビングさせる行為が古臭い。内容も日本版「リング」の焼きなおしだし。ハリウッドのスタッフは、日本版のコピーを作らなければ貞子に呪われるとでも思ったのだろうか? お勧め度=★★  
モンテ・クリスト伯 (11/6 日比谷スカラ座2)  なんで今更「巌窟王」なのかと思ったら、今年はアレクサンドル・デュマ生誕200年にあたるそうだ。裏切り・脱獄・復讐・陰謀・愛・・・。この映画は、娯楽作品のエッセンスがすべて詰まった長大な原作をコンパクトにまとめた少年少女のための「巌窟王」入門編だ。 お勧め度=★★★  
至福のとき (11/8 BUNKAMURA ル・シネマ)  失業中の中年男と盲目の少女が、お互い相手への思い打ち明けあうシーンに涙がこぼれた。一方で、出てくる男たちのドジぶりにも笑わせられる人情喜劇。チャン・イーモウが発掘した新人、ドン・ジエはとにかく足が長い。チャン・ツーイーを超えられるかな・・・。 お勧め度=★★★★  
プロフェシー (11/9 109シネマズ港北)  「蛾男」と呼ばれる人知を超えた存在の予言は必ず的中する。その予言を受け取ったワシントン・ポストの辣腕記者がドツボにはまっていく。観客を道連れにして・・・。この映画の興行成績を「蛾男」に予言してもらったら「オハイオ川より大惨事」というだろう。 お勧め度=★  
彼女たちの時間 (11/10 シャンテ・シネ)  友情、絶交、仲直り、秘密、嫉妬・・・。幼なじみの女2人の数十年にわたる微妙な関係と相手への気持ちの変化を繊細なタッチで描く、わかりやすいが不可解な女心のアンビバレンツ。なんで日本のポスターはエマニュエル・ベアールだけのアップなのだろう。 お勧め度=★★★*  
チェンジング・レーン (11/14 109シネマズ港北)  コンピュータ端末をいじるだけで簡単に個人情報がハッキングされるシーンが怖い。根底のところで人間は善であるという思想は甘さを感じるが、ラストシーンでタイトルの意味がただの「車線変更」ではないことを明かす演出が効いている。 お勧め度=★★★  
セレンディピティ (11/15 渋谷エルミタージュ)  ジャズを使ったプロローグから、偶然の出会い、つかの間のデート、そして別れという導入部はテンポもよくて期待をもたせたが、退屈しなかったのはそこまで。タイトルは「幸せな偶然」という意味らしいが、たまたまこの映画を見た人には「不幸な偶然」だろう。 お勧め度=★★ 
ショウタイム (11/16 渋谷パンテオン)  かつては肉体改造までして徹底して役作りをしていたデ・ニーロだが、最近は出演作が多いせいか手抜き気味。この作品もその延長上にあり、デ・ニーロにやる気は感じられない。ここのところ後進に押され影が薄いエディー・マーフィーが一人がんばっている。 お勧め度=★★* 
ハリー・ポッターと秘密の部屋 (11/17 渋谷東急)  原作を読んでいないと物語の展開について行けないかも。少なくとも「賢者の石」の知識は最低限必要だ。この映画は思考停止状態にして圧倒的な情報量の映像を堪能すべし。ハーマイオニーが一段ときれいになったが、出番が少なくなったのは残念。 お勧め度=★★★* 
ラスト・キャッスル (11/21 渋谷東急3)  年末興行の端境期でほとんど話題にもなっていないが、意外に秀作。軍事刑務所に服役する英雄的軍人を演じるレッドフォードのオレ様映画で、戦闘シーンは「グラディエーター」をほうふつさせる。また、65才とは思えぬ鍛え上げた肉体を誇示している。 お勧め度=★★★★  
水の女 (11/22 シネマライズ渋谷)  始まってまもなく浪曲をBGMに老若男女が裸で集う銭湯のシーンは、とても映画的な活気とアイデアに満ち溢れ、まさしく地上の極楽を具現していた。しかし、肝心のストーリーは想像力を刺激するものではなく、映像が美しいだけの映画に終わってしまった。 お勧め度=★★  
ジョンQ (11/24 109シネマズ港北)  主人公が心臓病を患った息子への思いを熱く語るシーンには涙があふれてとまらない。でも、ちょっと待て。確かにイラクと戦争するぐらいなら医療保障を充実させるべきだが、人質を取ってまでの要求は独善が過ぎないだろうか。後日談もあいまいだ。 お勧め度=★★★ 
バースデイ・ガール (11/26 有楽町スバル座)  始まって57分間の間、ニコール・キッドマンが口にするのはロシア語のみ。ロシア文学専攻の友人も「あのロシア語はイケてる」とお墨付きを出すほど。彼女の流暢なロシア語が物語に幅を持たせ、ミステリアスだがエスプリの効いたコメディに仕上がっている。 お勧め度=★★★* 
マーサの幸せレシピ (11/28 テアトルタイムズスクエア)  几帳面にレシピどおりに作るドイツ人の料理と、レシピより食べる人への気持ちを大切にするイタリア人の料理という構図は、この映画そのもの。フレームがきちんと決まった映像は機能的だが面白みに欠ける。ドイツ人の料理のような後味だった。 お勧め度=★★* 
トリック (11/30 109シネマズ港北)  持ち上げておいて、オトす。その繰り返しだが、仲間由紀恵のセンスのよさのおかげで意外に笑える。しかし、効果音が過剰で耳ざわりな上、トリックがあまりにも簡単すぎて鼻白む。2人組の刑事もTV版を見ていない人には意味不明の存在でしかない。 お勧め度=★★★ 

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2002年10月
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タイトル・日付  
 
寸      評
 酔っ払った馬の時間 
(10/14 ユーロスペース) 
 上映時間になっても館内に客を入れずに蒸し暑いロビーで客を待たせるひどい映画館。係員に説明を求めても「前の回が押してまして」というばかり。結局、7分遅れでスタートするが、上映が遅れたことに対して映画館からの謝罪や説明は一切なかった。映画はよかっただけに映画館の対応は残念! お勧め度=★★★* 
 エンジェル・アイズ 
(10/17 渋谷東急2) 
 私生活でのわがままぶりと役の上でのギャップがとても大きいジェニロペの最新作は、父との葛藤がトラウマになっている女性警官の恋物語。映画とは関係ないが渋谷東急文化会館は来年6月に取り壊しになるが、東急系の映画館は新ビルができるまで別の場所を借りて存続すると切符切りのお姉さんは言っていた。 お勧め度=★★★
 Dolls ドールズ
(10/18 ワーナーマイカル新百合ヶ丘)
  北野武の映画は独特の「間」があり、それが美しい映像の余韻となって心に残ったが、それもきちんとしたストーリーがあっての話。映像と間だけで2時間近い上映時間を持たせるのは不可能だ。もはやお笑いの世界だけでなく、映画界においても「裸の王様」になってしまったか、たけしよ。 お勧め度=★★
 阿弥陀堂だより 
(10/20 渋谷エルミタージュ)
まるで「農村生活カタログ」だ。豊かな自然と人間味あふれる村人という都会人の農村に対する典型的な思い込みを映像にした作品。しかし、こんなユートピアに暮らしたいと思うのもまた真理だろう。おとぎ話としては秀逸な作品だ。 お勧め度=★★★
メルシィ! 人生 
(10/22 シネアミューズ) 
 自分の身に降りかかったリストラを撤回させるために、ホモであるとカミングアウトする冴えない経理部社員。周りの見る目が変わることで、その男も素敵になっていくから人間って不思議だ。映画館受付でコンドームをもらったが、早速品質検査しなければ・・・。 お勧め度=★★★*
OUT 
(10/25 ワーナーマイカル新百合ヶ丘) 
 優れた小説を映画化するときは、ストーリーだけでなくキャラクターや雰囲気も忠実に映像化するに限る。キャラクターと雰囲気はイケていたが、後半の設定を変えたため、映画自体がOUTになってしまった。 お勧め度=★★
 ゴスフォード・パーク (10/26 恵比寿ガーデンシネマ)  初日の初回、雨にもかかわらず場内は満席。恵比寿ガーデンシネマにはアルトマンファンが根付いているようだ。映画は登場人物が多岐にわたり、その交通整理だけで頭が混乱する。せめて主従関係だけでも予習してから見たほうがいいだろう。 お勧め度=★★★
トリプルX (10/27 109シネマズ港北)  リクルートされた素人がスパイとして活躍するという『9デイズ』と同じような筋書きだが・・・。ヴィン・ディーゼルの本格的主演第1作だが、日曜昼間だというのにガラガラの映画館を見ている限りまだまだ名前ではお客を呼べるほどのスターではない。 お勧め度=★★*  
tokyo.sora (10/30 シネセゾン渋谷)  まったく映画の体裁をなしていないひどい作品だ。ストーリーは散漫、撮影技術も録音技術もないに等しい。高校の文化祭でももう少しましな映画が見られるだろう。お金を取って観客に見せるべきものはない。この無意味な映像の羅列を決して映画と呼んではいけない。 お勧め度=無し  

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