スカイ・クロラ |
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| 寸評 | 細密に再現された飛行機の金属の質感と対をなすように、登場人物が織りなす物語は輪郭がぼやけている。まるで操縦桿を握っている間だけが現実であるかのような若者の思いを通じて、生きることの切なさと命のはかなさを描く。 |
| ポイント | ★★ |
| DATE | 08/8/2 |
| THEATER | 109KW |
| 監督 | 押井守 |
| ナンバー | 187 |
| 出演 | |
| 批評 | ネタばれ注意! 結末に触れています 細密に再現された飛行機の金属の質感だけでなく、空中戦で被弾した機体、主人公が目にする雲海や地上の風景などが実写以上のハイパーリアルな映像で表現される。その対をなすように登場人物が織りなすエピソードは輪郭がぼやけている。まるで操縦桿を握っている間だけが現実であるかのような若者たちの思いを通じて、生きることの切なさと命のはかなさを訴えようという試みは理解できるのだが、彼らは感情があるように見えるが所詮「ゲームのキャラ」、要するにWii用フライトシューティングゲームソフトの世界観を観客に体感させようとするタイアップ商法なのだ。 新たな任地に赴任したパイロットのユウイチは早速敵機を2機撃墜、その腕の高さを司令官のスイトに認められる。この基地のパイロットはみなキルドレという不老不死の子供たち、ユウイチはスイトと付き合ううちに、前任者だったジンロウとスイトの関係に疑問を持ちはじめる。 平和を維持するために戦争を演出する世界が舞台で、キルドレたちはいくら死んでもすぐに補給される消耗品。しかも以前の記憶はないけれど前任者のスキルはきちんと受け継いでいる。自分は何者でどこから来たのかユウイチは探り始めるが、やがてスイトの態度や、戦死した同僚の後任者が新聞をきれいにとたたむという同じ癖を持っていることから、ユウイチはジンロウのリサイクル品であると気づく。キルドレとは死なないのではなく、死んでも記憶だけリセットされて生き返るロボットのようなものなのだ。 ここで描かれているのは文字通りゲームの中の出来事で、観客はコントローラを持たないプレーヤーのようなもの。しくじって撃墜されても、また次に遊ぶ時には別のキャラが選べる上、プレーヤーの操作能力は継承されている。そんな「ゲームキャラにもし感情や思考があったら」というところからこの物語の企画はスタートしたのだろうが、くだらない屁理屈を並べて純文学のような装いを施さなくても、「トイ・ストーリー」のように無生物の哀しみをストレートに主張したほうが楽しめたに違いない。 [http://www.otello.com.ua/:title=↓その他の上映中作品はこちらから↓] |