ラフマニノフ ある愛の調べ |
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| 寸評 | 鍵盤をたたくような激しい旋律と心をとろかせる甘い和音、それはロシア革命を生き抜いた情熱と自分を愛し支えてくれた美しい妻への感謝の気持ち。しかし、そこには作曲家としての創作の苦悩や、人生に対する問いかけはない。 |
| ポイント | ★* |
| DATE | 08/4/22 |
| THEATER | BUNKAMURA |
| 監督 | パーヴェル・ルンギン |
| ナンバー | 98 |
| 出演 | エフゲニー・ツィガノフ/ヴィクトリア・トルストガノヴァ/アレクセイ・コルトネフ/イゴール・チェネヴィチ |
| 批評 | ネタばれ注意! 結末に触れています 鍵盤をたたきつけるような激しい旋律と心をとろかせるような甘い和音、それはロシア革命という激動を生き抜いた情熱と自分を愛し支えてくれた美しい妻への感謝の気持ちから生まれたのだろう。しかし、伝記に書かれているようなラフマニノフの人生を通り一遍なぞるだけで、そこには作曲家としての創作の苦悩や、いかに生きるべきかという自分の人生に対する問いかけはない。事実を基にしてフィクションを加えたなどといういいわけをエンドロールでするならば、もっと大胆な解釈を持ち込んでもよかったのではないだろうか。 幼少時からピアノの才能に恵まれたセルゲイは作曲した交響曲の初演で大失敗、アンナという恋人を失う。その後幼なじみの従妹・ナターシャと結婚するが、ロシア革命が起き、セルゲイは家族と共に米国に亡命する。 ニューヨークやシカゴ、そして移動に使う機関車などが出てくるシーンがあるのだが、なぜかそこだけ非常に古ぼけた映像を使っている。ほんのつなぎのシーンにあまりカネをかけたくないのだろうが、こんなフィルムを使うと映画全体がかえって安っぽくなってしまうことに気がつかないのだろうか。場所や状況を説明するだけなら当時のモノクロ写真でよかったはずだ。 また、冒頭のNYでのコンサートシーンで、ソ連大使を客席で見つけたセルゲイが演奏を拒否して彼らを追い出すという行為に出る。そこでセルゲイのコミュニスト嫌いがはっきりしているのに、その後の展開に思想的な背景はほとんどなく、教え子のマリアンナという女学生にコミューンに連れて行かれて交情するくらい。出国時にもマリアンナに助けられているのだから、ボリシェビキに対する憎悪はどこから来るのだろう。スタンウェイが機転を利かすまでもなく、米国で人気を得るための方便だったというのなら納得はいくが。いずれにせよ主演のエフゲニー・ツィガノフがラフマニノフをよく演じていること以外、見るべきところがなかった。 [http://www.otello.com.ua/:title=↓その他の上映中作品はこちらから↓] |