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| 寸評 | ドキュメンタリータッチで臨場感を高めようという意図は理解できるが、この作品ではカメラマンは当事者であると同時に傍観者。そのスタンスが主人公の感覚との距離感を生み、スクリーンを通じて伝わる感情の揺れが半減される。 |
| ポイント | ★★* |
| DATE | 08/4/16 |
| THEATER | 映画美学校 |
| 監督 | ジャウマ・バラゲロ |
| ナンバー | 93 |
| 出演 | マニュエラ・ベラスコ/フェラン・テラッツァ/ホルヘ・ヤマン/カルロスラサルテ |
| 批評 | ネタばれ注意! 結末に触れています 劇映画風ではなく、突然予期せぬアクシデントに見舞われた登場人物が持っていたカメラに自分の体験を記録するという、ドキュメンタリータッチを装うことで臨場感を高めようという意図は理解できる。だが、この作品ではカメラを持つ者は当事者であると同時に傍観者でもある。そのスタンスが主人公の感覚との距離感を生み、スクリーンを通じて伝わってくる感情の揺れが半減される。「クローバーフィールド」と同工異曲といわれても、主人公の主観にこだわったほうが恐怖も増幅されたはずだ。 TVレポーター・アンヘラは、カメラマンのパブロと共に消防士の同行取材をする。アパートに到着した彼らは血まみれの老女を発見、さらに建物は外部から封鎖されて脱出不可能。アンヘラはすべてを撮るようにパブロに命じる。 正体不明の病原菌感染者はゾンビ化して生き残った人間を襲う。そのあたりは通常のゾンビ映画と変わることがないが、警官以外は武器を持たず、住人が1人また1人と襲われていくにつれて、正常な人間が減った分だけゾンビが増える。しかも逃げ場がない閉鎖空間。アンヘラとパブロは仲間を失い徐々に追い詰められていく。その過程でも閉じ込められた人々のインタビューを忘れないプロ根性は立派だ。しかし、事件の当事者になってからは死の影に怯え、ジャーナリストとしての好奇心や使命感より生き残ることを優先させるあたりの心境の変化がリアルだ。 アンヘラとパブロは最上階の閉ざされた部屋に逃げ込む。そこは奇妙な実験室で新聞の切抜きが壁一面に張ってある。住んでいた科学者が人体実験を行い、ある少女を恐るべき人間に改造したのだが、彼女はまだ生きていて監禁されている。ところが少女は異様な姿ではあるが、ゾンビではないのはなぜだろう。その疑問を解明することなく、パブロもアンヘラも暗闇に引きずりこまれていく。ラストでもあくまでカメラはアンヘラを撮影する傍観者。このポジションのせいでアンヘラに共感できなかった。 [http://www.otello.com.ua/:title=↓その他の上映中作品はこちらから↓] |