告発のとき IN THE VALLEY OF ELAH |
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| 寸評 | 戦争は若者を狂気に駆り立てる。休暇中の兵士の不審死をその父親が調査するうちに望まない真実を知るという過程を通じて、イラク戦争がもたらした心の荒廃、ひいては米国がSOSのサインを発するまでに病んでいることを訴える。 |
| ポイント | ★★* |
| DATE | 08/2/7 |
| THEATER | 映画美学校 |
| 監督 | ポール・ハギス |
| ナンバー | 32 |
| 出演 | トミー・リー・ジョーンズ/シャーリーズ・セロン/スーザン・サランドン/ジョナサン・タッカー |
| 批評 | ネタばれ注意! 結末に触れています 戦争は普通の若者を狂気に駆り立てる。常に緊張を強いられ神経を高ぶらせて、異常な行為を異常と思わなくなる。一度傷ついた心は簡単には治らず、米国に戻った後も後を引きずり、ちょっとしたきっかけで暴走する。映画は、帰米した若い兵士の不審死をその父親が調査するうちに望まない真実が明らかになるという過程を通じて、イラク戦争がもたらした心の荒廃、ひいては米国がSOSを発するまでに病んでいることを訴える。 イラク帰還兵・マイクが米国内の基地近くで休暇中に惨殺死体で発見される。もみ消そうとする軍や警察の間で、元軍警察官でマイクの父・ハンクは真相を地元警察官と捜査、そこでマイクがイラクでどんな兵士だったかを知る。 きちんとベッドメイクし、靴も磨き上げ、ズボンのしわを伸ばすハンクは筋金入りの軍人。息子のマイクもよき軍人であると疑わない。彼がマイクの素行を調べるうちに、ストリップバーで喧嘩をし麻薬に手を染めている証言まで出てくる。父親としては知りたくない息子の姿、それでもマイクの一面を知らず何もしてやれなかったことを悔いているよう。さらに、真犯人である同僚兵士の告白で、事件の業の深さに触れる。ハンクの表情からは怒りや悲しみは消え、ただ整理のつかない複雑な心の揺れが浮かび上がる。苦虫を噛み潰したようなトミー・リー・ジョーンズが、そんな父親の抑えた感情を見事に演じている。 信じて尽くしてきた国家への不信、ハンクは国旗を逆さに掲揚してその思いを表現する。それはベトナムでの敗戦から何も学んでいない国家への抗議なのか。いつも戦争の犠牲になるのは若者、そして不名誉な死に方をした息子を持つ父親の気持、そういう心理が静謐なタッチの中で非常に繊細に描写されていた。しかし、被害者ヅラする前に、マイクにに虫けらのように殺されたイラクの子供や虐待されたイラク兵への謝罪や反省があってしかるべきではないだろうか。あえて触れないことで、観客に偽善を感じ取らせようという高等テクニックなのかもしれないが。。。 [http://www.otello.com.ua/:title=↓メルマガ登録はこちらから↓] |