迷子の警察音楽隊 |
|
![]() |
|
| 寸評 | 国境を接する国同士でありながら、戦争を繰り返してきたイスラエルとエジプト。つかの間の和平に民間交流も芽生える。言葉や宗教が違っても基本的な営みはみな同じ、一緒に飲み食い遊ぶことで理解しあうことができるのだ。 |
| ポイント | ★★★ |
| DATE | 07/10/18 |
| THEATER | シネマート |
| 監督 | エラン・コリリン |
| ナンバー | 209 |
| 出演 | サッソン・ガーベイ/ロニ・エルカベッツ/サーレフ・バクリ/カリファ・ナトゥール |
| 批評 | ネタばれ注意! 結末に触れています 国境を接する国同士でありながら、戦争を繰り返してきたイスラエルとエジプト。お互いに憎しみに燃えていた時期もあったはずだが、つかの間の和平に民間交流も芽生える。本来音楽を通じてお互いの文化に触れるはずだった2つの民族に、思わぬアクシデントで人間同士の付き合いが生まれる過程を通じて、コミュニケーションの大切さを訴える。言葉や宗教が違っても基本的な営みはみな同じ、一緒に飲み食い遊ぶことで理解しあうことができるのだ。 アレキサンドリアの警察音楽隊がイスラエルにあるアラブ文化センターに招待されるが、いきなり空港で待ちぼうけを食わされる。仕方なくバスで向かった先はまったく別の街で、動きが取れなくなった一行はそこで一泊する羽目になる。 荒涼とした風景をバックに警官隊の水色の制服が非常にヴィヴィッドだ。彼らはその制服を脱ぐことなくレストランの女主人や従業員の世話になる。特に女主人・ディナの家に泊まることになった隊長とイケメンの隊員・カーレドが、建前と本音という好対照をなす。あくまで警官としての分別を捨てない隊長は、イスラエル人のディナの前では礼儀正しく振舞う。一方のカーレドは女性の扱いに長け、イスラエル女性ともすぐに打ち解ける。隊長は国家の体面を、カーレドは人々の飾らない気持を象徴している。 従業員の家に泊まった3人の前で夫婦喧嘩が始まる気まずさや、カーレドが女の子とうまく話せない若い男に恋の手ほどきをしたりと、ユーモアたっぷりのシーンが程よくブレンドされているが、出来事らしいことはカーレドとディナがセックスする程度。おそらく警官隊もイスラエル人も4度にわたる中東戦争で身内の誰かを亡くしているはず。それでもそんな過去の遺恨を一切出さず、ぎこちない出会いを楽しんでいるかのようだ。映画はイデオロギーや平和を声高に叫ぶことがなく、非常に心地よい後味を楽しめた。 [http://www.otello.com.ua/:title=↓メルマガ登録はこちらから↓] |