マリア THE NATIVITY STORY |
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| 寸評 | 奥ゆかしい瞳は希望を宿し、微笑む口元は慈愛をたたえる。神に選ばれし運命を受け入れたヒロインを通じて、愛とは、信仰とは何かを問う。しかし、まるでフレスコ画に描かれた聖母のようで、理想の人物像の範疇を出ていない。 |
| ポイント | ★★* |
| DATE | 07/9/7 |
| THEATER | SF汐留 |
| 監督 | キャサリン・ハードウィック |
| ナンバー | 178 |
| 出演 | ケイシャ・キャッスル=ヒューズ/オスカー・アイザック/スタンリー・タウンゼント/キアラン・ハインズ |
| 批評 | ネタばれ注意! 結末に触れています その奥ゆかしい瞳は苦難に打ち勝つ希望を宿し、微笑む口元には限りない慈愛をたたえる。神に選ばれし運命を受け入れたヒロインの逃避行を通じて、愛とは、信仰とは何かを問う。迷いや疑いを一切捨て、ただ神の言葉と夫の愛を信じて行動する。キリストが記述の中心である聖書を元に、彼の母親はどのような人間であったかをディテール豊かに描く。しかし、資料が少ない人物だけにもう少し大胆にイメージを膨らませてもよかったのではないか。これではまるでフレスコ画に描かれた聖母そのもので、理想の人物像の範疇を出ていない。 圧政に苦しむナザレの少女マリアはヨセフと婚約するが、ある日、彼女の前に天使が現れ受胎告知をする。折りしも救い主出現の噂に怯えるヘロデ王は、東方の三博士を食事に招いて救い主の所在を探る。 やはり保守的な信者に対して遠慮があるのだろう、最大公約数的なマリア像はあくまでも意思の強さとやさしさを併せ持つ慈母。そこには嫉妬や憎しみ、怒りといった感情はなく、神の子を身ごもった戸惑いすら希薄だ。もう少し自分が担った重責に押しつぶされそうになるとか、不貞を疑われていることへの不満を口にしてもよかったはず。唯一、妻が自分の種でない子を身ごもったことに対してヨセフが悪夢を見る程度。神の言葉に対する絶対の信頼ばかりが強調され、キリスト信者でない者にとっては教訓のないおとぎ話のようだ。 ヘロデ王の苛斂誅求に民衆の不満が高まり、預言が広く信じられ、イスラエルの地に救い主誕生の受け入れ体制が整っていたことが処女懐胎という伝説を生んだのだろう。そのヘロデ王も肉親すら信じられないゆえの孤独があったはずだが、そこもパス。「神からの贈り物をもらったことはないが、もらえるかもしれないという希望はもらった」という欲のない羊飼いの言葉だけが、宗教のうそ臭さを強調しているようだった。もちろん映画にそんな意図はなく、すこぶるまじめに作っているのだが。。。 [http://www.otello.com.ua/:title=↓メルマガ登録はこちらから↓] |