ブラック・ダリア THE BLACK DAHLIA |
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| 寸評 | 女の悲鳴と銃撃戦、ワンシーンで混乱と驚きという二つの感情を一気に引き出し、デ・パルマ監督は見るものを映画の中に引きずり込む。しかし、複雑怪奇な構成に表現がついていけず、最後の謎解きは早送りテープのようだった。 |
| ポイント | ★★ |
| DATE | 06/10/14 |
| THEATER | ワーナーマイカルつきみ野 |
| 監督 | ブライアン・デ・パルマ |
| ナンバー | 176 |
| 出演 | ジョシュ・ハートネット/スカーレット・ヨハンソン/ヒラリー・スワンク/アーロン・エッカート |
| 批評 | ネタばれ注意! 結末に触れています 古いビルの前で張り込みをしている2人の刑事からカメラは一転、ビルを俯瞰でとらえたかと思うと、ビルの裏手を歩いている女が悲鳴をあげて走り出す。カメラはまた刑事たちのいる場所に戻ったかと思うといきなり銃撃戦が始まる。同じビルの表と裏で同時に起きた事件に2人の刑事は巻き込まれる。このワンシーンで混乱と驚きという二つの感情を一気に引き出し、デ・パルマ監督は見るものを映画の中に引きずり込む。しかし、謎が謎を呼ぶ複雑怪奇な構成に表現がついていけず、最後の謎解きは駆け足のつじつま合わせになってしまった。 ボクシングの試合がきっかけでコンビを組むようになったバッキーとリーは凶悪犯張り込みの途中で、胴体が二つに切断された死体に出会う。二つの事件を追ううちに、ハリウッド地区の宅地造成に絡む巨大な疑惑を見つけるが、バッキーとリーの間にも不信感が芽生えていく。 どうしてもっと脚本の段階で物語を整理しないのだろう。たとえば、リーの過去や彼の恋人・ケイとの関係。あくまでブラック・ダリア事件を物語の本筋にすえるのなら、彼らのエピソードは事件解決の邪魔にしかならない上、やたら登場人物の名前が出てくるため頭の中で整理しきれなくなる。小説なら枝葉の部分は戻って読み返すことができるが、映画はそれができないことを監督が知らないはずはない。スカーレット・ヨハンソンの出番が少なくなっても、編集段階で切るべきだった。 結局、胴体切断事件の犯人はハリウッド地区の住宅建設で儲けた富豪の、ドラッグ中毒の妻。バッキーがその真相にたどり着くまでの過程は早送りで見ているようで、説得力はほとんどない。冒頭のボクシングシーンなどだらだら描く時間があれば、もっと事件を丁寧に解説してほしかった。凝ったカメラワークや'40年代の衣装やセットは見事だし、ミステリータッチを演出する音楽もすばらしい。ただ、肝心のストーリーに明快さが決定的に不足していた。 [http://www.otello.com.ua/:title=↓メルマガ登録はこちらから↓] |