涙そうそう |
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| 寸評 | 不幸な生い立ちにもかかわらず健気に生き、お互いをかけがえのない存在として思いあっている兄妹に試練を与えることで、観客の涙を誘おうという魂胆がミエミエ。しかし、こんな稚拙な設定では観客は失笑をもらすだけだろう。 |
| ポイント | ★ |
| DATE | 06/10/7 |
| THEATER | 109シネマズ港北 |
| 監督 | 土井裕泰 |
| ナンバー | 171 |
| 出演 | 妻夫木聡/長澤まさみ/麻生久美子/塚本高史 |
| 批評 | ネタばれ注意! 結末に触れています 不幸な生い立ちにもかかわらず健気に明るく生き、お互いをかけがえのない存在として思いあっている兄妹に試練を与えることで、観客の涙を誘おうという魂胆がミエミエ。しかし、こんな稚拙な設定ではどれほど感動の沸点が低い人間でも失笑をもらすだけだろう。だいたい、小学生くらいの年頃で5歳の年齢差といえば相当身長が違うはずなのにこの兄妹は頭ひとつ分くらいの身長差しかないし、成長してからの二人は異常にテンションが高く、いつも笑い声を上げている。ちょっと考えればその不自然さに気づくはずなのに、この映画の関係者は誰も指摘しなかったのだろうか。 那覇に住む洋太郎のもとに高校進学のために妹のカオルがやってくる。洋太郎はカオルの父親代わりに彼女の生活を支える一方、レストランを出店するために小金を貯めていた。しかし、洋太郎はそのカネを詐欺で失い、恋人とも別れ、やがてカオルも大学進学とともに独立していく。 フリーターに過ぎない洋太郎が医学生と付き合うくらいならまだ許せるが、見え透いた詐欺にあったり、カオルが父親と再会したりとありえない事件が続く。そもそも3歳のときに生き別れた父親を15年後に思い出せるはずはないだろう。しかもこの親父はトランペッターなのに肉体労働で鍛えているよう太郎を一発でぶちのめしたりするのだ。この映画の脚本家はリアリティをまったく無視し、演出家は兄妹の感情を盛り上げることだけに腐心する。テレビ出身のスタッフがあらゆる毒を撒き散らす結果となってしまった。 そして、台風におびえているカオルのもとに、なぜか危険を察知した洋太郎がやってきて彼女を助ける。その挙句、洋太郎は危篤に陥り突然死。運び込まれた病院の当直が元恋人というのもお約束。葬式の後、カオルが洋太郎からの贈り物を受け取って涙に暮れるという蛇足までついている。バカバカしいツッコミどころが満載で、ある意味最後まで退屈させない映画ではあった。 [http://www.otello.com.ua/:title=↓メルマガ登録はこちらから↓] |