エコール INNOCENCE |
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| 寸評 | 緑濃い森で戯れる彼女たちはおとぎ話の妖精のようにしっとりとした色調のフィルムに焼き付けられ、その無邪気な嬌声は少女の無垢を証明する。一方で意味不明のメタファーが少女の心の揺れを増幅し、大いなる不安が心をよぎる。 |
| ポイント | ★★* |
| DATE | 06/7/25 |
| THEATER | 映画美学校 |
| 監督 | ルシール・アザリロヴィック |
| ナンバー | 118 |
| 出演 | マリオン・コティヤール/エレーヌ・ドゥ・フジュロール// |
| 批評 | ネタばれ注意! 結末に触れています 外界から隔絶された環境で暮らす少女たち。男の影は一切ない世界では、女であることを意識する必要はない。幼いころから寄宿舎で暮らす少女たちは性の存在すら知らないのかもしれない。そこでは服従が美徳とされ、好奇心の芽はすぐに摘み取られる。緑濃い森や淀んだ水の中で戯れる彼女たちはまるでおとぎ話の妖精のようにしっとりとした色調のフィルムに焼き付けられ、その無邪気な嬌声は少女の無垢を証明する。一方で意味不明のメタファーが少女の心の揺れを増幅し、大いなる不安が心に覆いかぶさる。 棺桶に入れられて人里はなれた寄宿舎に送られてきたイリスは、そこで年上の少女たちと暮らし始める。やがて1年がたち、少女たちの中で最年長のビアンカは夜な夜な秘密の劇場でダンスを踊らされた末、寄宿舎を卒業していく。 おそらくこの寄宿舎は身寄りのない少女たちを集め、ダンスを仕込んだ挙句怪しげな組織に彼女たちを売り飛ばす組織なのだろう。何も知らされず、でも少しだけ自分たちの運命に気づいている、そんな少女たちのはかない心が痛々しい。カメラはあくまでも少女たちを理想のイコンとして、待ち受ける運命が暗転する直前の短くも美しく燃え上がる瞬間をとらえる。噴水の中で無防備に少年と笑顔をかわすビアンカの人生を暗喩するラストシーンは、限りない哀しさの余韻を見るものに投げかける。 しかし、その映像の耽美とは裏腹に物語は至って単調だ。ほとんどの少女たちは感情を表に出すことを慎み、淡々と現状を受け入れている。もちろん幼い彼女たちには大人に反抗するすべはなく、閉ざされた状態では何をしていいのか分らないのだろう。誰かを恋しがるわけでもなく、何かを求めるわけでもない。情報が遮断されると自由な思考が奪われる、その恐ろしさは十分に伝わるが、映画として何かひとつ劇的な展開が欲しかった。 [http://www.otello.com.ua/:title=↓メルマガ登録はこちらから↓] |