アンナとロッテ DE TWEELING |
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| 寸評 | 引き裂かれた双子が憎しみ合うようになるまでを、計算された理知的なプロットとディテールまで神経が行き届いたクールな映像で容赦なく描く。戦争で愛するものを失う以上の憎しみと悲しみを双子にもたらす語り口は圧倒的だ。 |
| ポイント | ★★★* |
| DATE | 04/12/16 |
| THEATER | 有楽町スバル座 |
| 監督 | ベン・ソムボハールト |
| ナンバー | 148 |
| 出演 | エレン・フォーテル/テクラ・ルーテン/フドゥルン・オクラス/ナディヤ・ウール |
| 批評 | ネタばれ注意! 結末に触れています 自分の運命は自分で切り開いていく。そんなあたりまえのことができなかった時代、ただ生き残ることが人生において勝利を意味する。しかし、たとえ死から逃れられてもその先にあるのは大いなる喪失感。平和な時代になって初めて、生き残るために選択し選別しなければならなかった人生を振り返ることができるのだ。引き裂かれた双子を軸に、人格形成が環境によって左右され、分かちがたい絆で結ばれていたはずが憎しみ合うようになるまでを、計算され尽くされた理知的なプロットとディテールまで神経が行き届いたクールな映像で容赦なく描く。戦争で愛するものを失う以上の憎しみと悲しみを双子にもたらす語り口は圧倒的だ。 身寄りのない双子、アンナはドイツの農家に、ロッテはオランダの裕福な家庭に引き取られる。労働力としてこき使われていたアンナは家出同然に農家を後にし、メイドとして伯爵家に仕える。そしてナチ親衛隊の青年と婚約する。一方、何不自由なく育てられたロッテはユダヤ人の青年と婚約する。やがて戦争がはじまり2人とも愛するものを失う悲しみを知る。 有産階級と無産階級、オランダとドイツ、ユダヤ人とナチ親衛隊。双子という、本来はある年齢までは同じように過ごすはずの2人が、幼い頃の人生の分岐点を境に正反対とも思える人生を歩むというのはよくある題材だ。そこに戦争とホロコーストを絡めることでコントラストを際立たせる展開はスリリング。再会した2人の心は齟齬をきたし、その後の決定的な別れのシーンは、地続きで人種国籍の往来が比較的盛んだったヨーロッパの一面を見事に描いている。 アンナの夫がナチ親衛隊と知って「私の人生に二度と現れないで」とロッテは言い放つ。血のつながりより恋人との愛。2人はその後どういう人生をたどったかはわからない。だが、数奇な運命を生き抜いた者だけが持ちうる寛容の精神をラストシーンで示してくれたのは大いなる救いだった。 [http://www.otello.com.ua/:title=他の新作を見る] |