こんな映画は見ちゃいけない!

モナリザ・スマイル MONA LISA SMILE

モナリザ・スマイル
寸評 物語は可もなく不可もない。学生たちが目覚め、ヒロインが孤軍奮闘の末に理解者を増やし周りに認められるという展開も予定調和的だ。米国初の女性大統領になろうかというヒラリー・クリントンが学んだ環境を描きたかったのだろうか。
ポイント ★★*
DATE 04/8/12
THEATER みゆき座
監督 マイク・ニューウェル
ナンバー 92
出演 ジュリア・ロバーツ/キルスティン・ダンスト/ジュリア・スタイルズ/マギー・ギレンホール
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

伝統と因習に凝り固まった学園に異分子が紛れ込み新たな風を吹かせる、という定番ドラマだ。こういう作品を見ていつも思うのだが、最初拒絶されていた「自由を感じさせる」人間が波風を立てながらも周りの考え方を変えていくというパターンは、どうもおせっかいだ。選択の余地なく保守的な土地に生まれついたのならともかく、この映画で出てくる大学は少なくとも学生が自分自身の意思で進学したはずだ。伝統に憧れ教育方針に同意した上で入学したのだ。だったらそういう学生の意識をあえて変える必要はないのではないだろうか。

カリフォルニアから東部の名門女子大の美術講師の職を得たキャサリンはその保守的な校風に違和感を感じる。大学のモットーは良妻賢母を育てること。彼女は過去の美術史上の名作や現代美術について教科書どおりではなく自分の心で感じたことを自分の頭で考えた言葉で表現する事を教え、やがて自分の頭で考えることが人生のすべてにおいて大切であるということを学生たちに教える。しかし、その教育方針がやがてこの学園にそぐわないという批判が起き始める。

舞台となったウェルズリーカレッジはニューイングランドに実在する。なぜ今、こうしたさんざん描かれてきた内容の学園ドラマ、しかも舞台は50年も前の話を映画化したのだろう。それは、このカレッジがヒラリー・クリントンの出身大学であるということ以外に考えられない。'50年代にはこの学園の卒業生はハーバード卒の夫の専業主婦になるのが最高の栄誉だったのが、ヒラリーの時代(おそらく'60年代後半)にはロースクールに進学する学生も珍しくなくなったのだろう。

物語は可もなく不可もない。学生たちが目覚め、キャサリンが孤軍奮闘の末に理解者を増やし周りに認められるという展開も予定調和的だ。米国初の女性大統領になろうかというヒラリーが学んだ環境を描きたかったのだろうか。