こんな映画は見ちゃいけない!

バレエ・カンパニー THE COMPANY

バレエ・カンパニー
寸評 しなやかに躍動する人間の肉体と自在に伸び縮みする白いゴムひもを効果的に使ったダンスステージでこの映画は幕を明ける。しかし、登場人物が踊っているシーンはスクリーンに目がクギ付けになるが、人物描写や話の展開はとても退屈だ。
ポイント ★★*
DATE 04/7/24
THEATER BUNKAMURAル・シネマ
監督 ロバート・アルトマン
ナンバー 87
出演 ネーブ・キャンベル/ジェームズ・フランシス/マルコム・マクダウェル
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

ゴムひもを効果的に使ったダンスステージでこの映画は幕を明ける。しなやかに躍動する人間の肉体と自在に伸び縮みする白いゴムひもで、今までに見たことのないようなパフォーマンスが繰り広げられる。このダンスが何を表現したいのかはよくわからなかったが、それでも新鮮な驚きだけは心に抱くことができる。ところが肝心の物語になると、ロバート・アルトマン監督お得意の群像劇でもなく、バレエの世界を追求するでもない。登場人物が踊っているシーンはスクリーンに目がクギ付けになるが、人物描写や話の展開はとても退屈だ。

シカゴの名門バレエ団のダンサー・ライは恋人と別れたあとコックと付き合い始める。一方で、新しい演出家の振り付けの公演で主役の代役をつとめ、嵐の中で見事に演じきる。彼女は賞賛を集め、一躍バレエ団のスターに上り詰める。

極限まで研ぎ澄まされた肉体、重力に反するように軽やかに舞うジャンプ、そして柳のようにしなる手足で人間の感情を表現する。スタジオでの練習風景、オーディション、本番のステージと緊張感が高まるにつれ映像から発散されるエネルギーも一点に集中してくる。

しかし、ステージへの集中に反するように、物語の部分ではエネルギーが拡散する。ステージ制作上の予算をめぐる苦労、ワガママな総監督に振り回されるスタッフ、振り付けをめぐってのダンサーと演出家の対立。そういうビジネスとしてのバレエを運営するうちに発露する人間の感情を描く場面になると、もうほとんどなにを伝えたいのかわからないぐらい中途半端にしか描かれていない。そういう生身の人間である登場人物の喜び、悲しみ、怒り、嫉妬、失望などといったあらゆる感情を昇華した上でひとつのステージを作り上げていく、そういう達成感を描かなければ感動は生まれてこない。