こんな映画は見ちゃいけない!

69 sixty nine

69 sixty nine
寸評 もてあます青春のエネルギーのはけ口を求めて日々不満を募らせる生徒たちの疾走感に彩られた映像、ユーモアのセンスあふれる会話、俳優たちのまじめにとぼけた演技、どれをとっても高校学園ドラマの見本のような作品だ。
ポイント ★★★*
DATE 04/7/11
THEATER 平和島シネマサンシャイン
監督 李相日
ナンバー 81
出演 妻夫木聡/安藤政信/金井勇太/水川あさみ
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

疾走感に彩られた映像、ユーモアのセンスあふれる会話、俳優たちのまじめにとぼけた演技、どれをとっても高校学園ドラマの見本のような作品だ。もてあます青春のエネルギーのはけ口を求めて日々不満を募らせる生徒たちと、管理することが教育という先生たち。'69年の高校生たちは当時の学生運動の影響を受け表向きはまじめに学校側と闘うのだ。

退屈な学園生活を送るケンは友人のアダマ、イワセら共に「フェスティバル」を開催することを思いつく。しかし、ひそかに思いを寄せる女生徒の一言から、学校をバリケード封鎖してしまう。バリ封は面白半分のいたずらにしては度が過ぎ、ケンは無期停学になる。その間もバリ封仲間とは連絡を絶やさず、フェスティバルの計画を着々と進める。

管理教育と戦い学校をバリケード封鎖するなどといっても、その動機は好きな女の子の気を引きたいという単純なもの。女をモノにするために自分のすべてを賭けて実行に移すというのはまさに男の行動原理そのものだ。そういう高校生のストレートな感情を表に出しているところがすごく好感が持てる。論理ばかりで行動が伴わない大学生の全共闘に対し、革命や解放ではなく女にもてたいという気持ちがすがすがしい。

ただ、バリ封に参加した生徒のひとりが活動の途中で便意をもよおすシーンがあるが、ここはあまりにも下品だ。もう少し見せないでその臭さ情けなさを描く方法があったはず。思わず目を背けたくなるような品のないシーンはカットすべきだろう。このシーンのおかげで作品全体のトーンがぶち壊しになってしまった。また、それぞれのエピソードはおもしろいのだがつながりに乏しく、散漫な印象になっている。あらゆるエピソードが有機的に結びついて最後の「フェスティバル」に向かうような構成にすれば、達成感のある映画になったに違いない。