スパイダーマン2 SPIDER-MAN 2 |
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| 寸評 | スパイダーマンも変身前は人間としての生活があり、二重生活の悩みを誰にも打ち明けることができない。この作品がユニークなのは主人公の葛藤に上映時間の70%もついやしていることだ。スーパーヒーローもしんどい商売なのだ。 |
| ポイント | ★★★★* |
| DATE | 04/7/3 |
| THEATER | 平和島シネマサンシャイン |
| 監督 | サム・ライミ |
| ナンバー | 78 |
| 出演 | トビー・マグワイア/キルスティン・ダンスト/ジェームズ・フランコ/アルフレッド・モリーナ |
| 批評 | ネタばれ注意! 結末に触れています 男と生まれたならたいていはあこがれるであろうスーパーヒーロー。超人的な身体能力で悪党を退治し新聞の一面を飾る。しかし、スーパーヒーローも変身前は人間としての生活があり、人助けばかりしていては学業・バイト・ガールフレンドなどもおろそかになってしまう。そしてその悩みを誰にも打ち明けることができない。この作品がユニークなのはスパイダーマンになってしまったピーターという青年の葛藤を描くのに実に上映時間の70%もついやしていることだ。スーパーヒーローもしんどい商売なのだ。 大学生になったピーターは街で事件がおきるとほうってはおけずすぐにスパイダーマンに変身してしまう。そのせいでバイトはクビ、授業もサボりがち、アパートの家賃は滞り、恋人との約束も守れない。ふと心によぎる「スパイダーマンをやめたいな」の思いに能力が低下したことをきっかけに、ピーターという普通の青年として生きる決心をする。一方、ドック・オクという4本の機械のアームを持ったマッドサイエンティストが恋人のMJをさらったことから、ピーターは再びスパイダーマンに変身する決意をする。 前作同様、スパイダーマンが指先から飛ばした糸でビルの谷間を流麗に舞う姿は美しくしなやかだ。ドック・オクとの対決シーンもスピード対パワーといった趣を見せ楽しめる。ビルの壁での殴りあい、電車の屋根での死闘など活劇としての見せ場もたっぷりで、まったく退屈させない。 しかし、この作品の魅力を輝くべきものにしているのはやはりピーターの日常生活を丁寧に描いていることだ。特に恋人・MJの舞台を見に行く約束を果たせず、お互い未練を残したまま別れてしまう切なさ。そしてそのことがきっかけで、元のピーターにもどりスパイダーマンでない生活を堪能するときの生き生きとした表情。スパイダーマンの呪縛を断ち切ったピーターの笑顔に「雨に濡れても」の歌がオーバーラップする。誰もがポール・ニューマンが自転車に乗るシーンを思い出すだろう。アウトローが自由に生きる心を表現するシーンも、ピーターにとっては法を守って普通の人として生きる決心の象徴になってしまうところが、現代に生きるヒーローの複雑な感情をよくあらわしている。 |