こんな映画は見ちゃいけない!

永遠の片想い

永遠の片想い
寸評 男と女の間に友情が成り立つのかという古くからある命題に真正面から取り組んでいるが、いかんせん昔の少女漫画を見ているような気分になる。描かれる清廉潔白な男女交際にはまったくリアリティがなくエピソードが上滑りしている。
ポイント ★★
DATE 04/5/12
THEATER TCC試写室
監督 イ・ハン
ナンバー 55
出演 チャ・テヒョン/ソン・イェジン/イ・ウンジュ/ムン・グニョン
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

男と女の間に友情が成り立つのかという古くからある命題に真正面から取り組んでいるのだが、いかんせん昔の少女漫画を見ているようで見ているほうが照れてしまう。しかも、男ひとりに女2人。おまけに女同士は結束が固く、片方は体が弱い。これが日本人が演じる日本映画ならウソ臭くて見ていられないだろう。

ジファンという男の下に一通の差出人不明の手紙が届く。その手紙から、彼は5年前に仲良く一緒に過ごした2人の女の子スインとギョンヒのことを思い出す。ジファンがスインに一目ぼれしたことから始まった3人の仲は、次第に親密さをまして分かちがたい絆を結ぶ。やがてジファンの気持ちは病弱なスインから活動的なギョンヒに移っていく。そして突然の別れが3人を襲う。

3人という微妙な関係。男はその気持ちを好きな女に伝えたいと思っていても、女2人の関係に気を使ってなかなか言い出せない。女のほうも男の気持ちに敏感になりすぎて踏み出せない。そんなもどかしい状態がずっと続き、やがてギョンヒの誤解と病弱なスインが死んだことから3人の友情はピリオドを打つ。その過程が、いまどき中学生でも納得しないような珍しい青春ドラマだ。男子大学生が2人の女子とクルマで旅行に出て、海で遊んだり無邪気に雑魚寝したりしているのに、そこにはセックスの臭いがまったくない。これはいったい学校鑑賞用に作られた映画なのだろうか。倫理観が厳しい時代の作品ならともかく、ここまで清廉潔白な男女交際などまったくリアリティがなくエピソードが上滑りしているだけだ。

3人で「イル・ポスティーノ」を見に行ってその主人公のセリフに3人とも感動して、見終わった後何回も繰り返して口にするシーンがあるが、あの作品に感銘を受けたのなら自分の気持ちを言葉にすることの大切さを知っているはずだ。それならなぜ3人が3人とも奥歯にモノが挟まったような関係をずっと続けるのだろう。心地よい三角関係を継続したいのはわかる。しかし友情が恋に変わったときはやはり選択が必要なはずだ。また、意味もなく過去と現在を混在させる編集のせいで思い出と今の境界線があいまいなり、余計に煮え切らない印象だけが残った。