フォーン・ブース PHONE BOOTH |
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| 寸評 | やたら尊大だが、実は小心者の主人公が「神の声」ともいえる電話の声に脅迫される様子を、コリン・ファレルのほぼひとり芝居で描ききる。電話という小道具をうまく使いこなし、なかなか冴えた1幕芝居を見ているようだ。 |
| ポイント | ★★★★ |
| DATE | 03/11/22 |
| THEATER | チネチッタ |
| 監督 | ジョエル・シューマッカー |
| ナンバー | 146 |
| 出演 | コリン・ファレル/フォレスト・ウィテカー/ケイティ・ホームズ/キーファー・サザーランド |
| 批評 | ネタばれ注意! 結末に触れています 自分が大物であるかのように振る舞い、ハッタリと欺瞞ばかりでやたら尊大な態度をとるが、実はせこくて小心者。そういう主人公が「神の声」ともいえる電話の声に脅迫されるうちに泥沼にはまっていく様子をコリン・ファレルのほぼひとり芝居で描ききる。電話という小道具をうまく使いこなし、なかなか冴えた1幕芝居を見ているようだ。 フリーの宣伝マン・ステュは今日も携帯片手にNYの街を我が物顔で歩いている。自分が大物であるとうそぶき、まじめな人々をだまして甘い汁を数個とだけを考えているような男。いつも利用する公衆電話のベルが鳴ったとき反射的に電話に出たため姿なき脅迫者に脅される。相手はステュの個人情報を握っている上、どこからかライフルで狙っている。電話を切ると殺すと脅され、いつしかトラブルは大きくなっていく。 自信満々で世の中自分中心に回っていると思っているような男が、実はその尊大な態度が自身のなさの裏返しだということを、薄皮を一枚一枚剥いでいくようなタッチで描くが、元々この主人公・ステュがいやな男として描かれているから不気味さよりもむしろ奇妙な快感を感じる。「どこにでもいるよな、こんなやつ」と観客に思わせて、身近にいるそんな傲慢なヤツを思い浮かべながら、電話の声と一緒にステュをいたぶることで溜飲が下がる思いがする。むしろ脅迫されているステュより、姿を見せない電話の声のほうに感情移入するという奇妙な構成が非常に新鮮だ。 そしていうまでもなくコリン・ファレルの熱演。肩で風を切ってブロードウェイを歩いていた男が、電話の声に自分の運命を握られていると知って自信をなくして顔中冷や汗を流し、最後には泣きそうな顔で慈悲を請う。そして妻の前ですべてを告白させられたのち許しを請う時の安堵の表情。まだまだ芸の幅が広いことを証明している。惜しむらくは彼のバタ臭い顔は日本ではウケないだろうな。 |