マグダレンの祈り THE MAGDALENE SISTERS |
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| 寸評 | 性的な行き過ぎがあっただけに過ぎない少女たちが、強制的に刑務所のような修道院に収容され虐待される。この作品は、希望という甘い幻想は悲しみをもたらすだけで、時に怒りや憎悪のほうが人間を強くすることを教えてくれる。 |
| ポイント | ★★★★ |
| DATE | 03/10/16 |
| THEATER | 恵比寿ガーデンシネマ |
| 監督 | ピーター・ミュラン |
| ナンバー | 128 |
| 出演 | ノーラ・ジェーン・ヌーン/アンヌ・マリー・ダフ/ドロシー・ダフィ/ジェラルディン・マクイーワン |
| 批評 | ネタばれ注意! 結末に触れています 原罪は犯罪より罪が重いのだろうか。誰を傷つけたわけでもない、何かを盗んだわけでもない。ただ、性的な行き過ぎがほんの少しあっただけに過ぎない少女たちが強制的に修道院に収容され、冷酷なシスターたちに労働力としてこき使われる。刑務所のような規則に縛られた生活。自由もプライバシーもない。いちばん恐ろしいのは、誰かが迎えにこなければ死ぬまでそこから出られないことだ。普通の犯罪者なら刑期を終えたら自由になれるのに、ここではほとんどの女は「無期懲役」に等しい。しかもこれは実話だという。 1964年、3人の少女がマグダレン修道院に収監される。いとこにレイプされたり、未婚の母になったり、男の子を誘惑したりという、性的に汚れていると思われただけで刑務所に等しい修道院に送られる。特にマーガレットとローズは実の親に捨てられるようなかたちで収容されるのだ。そしてそこでの過酷な日々。彼女たちは時に絶望にさいなまれながらも脱走するチャンスをうかがう。 それにしても人間は後ろ盾を失うとなんと無力なことか。家族から見捨てられた少女たちは修道院のシスターに従順に従う。収監されたという事実だけで自分が価値のないものと思い込み、シスターの命令を絶対的なものと感じてしまう。シスターたちはその心理に付け込み、収監者を虐待する。少しでも反抗的な態度を取ると容赦ない暴力、時には意味もなく裸にして踊らせる。心を殺してその命令に耐える。収監された女たちはそういう存在と自分に思い込ませているのだ。 だからこそ、元々孤児で家族という後ろ盾がなかったバーナデットだけは誇りを捨てなかった。彼女の反乱にシスターたちはなすすべもない。自分たちが暴力を振るわれることなどありえないと思い込んでいたため、バーナデットの怒りにただおろおろするだけだ。希望などという甘い幻想は悲しみをもたらすだけで、時に怒りや憎悪のほうが人間を強くすることをこの作品は教えてくれる。 |