陰陽師U |
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| 寸評 | 中井貴一が悪役も、深田恭子が男勝りの姫を演じても、所詮は野村萬斎の引き立て役。野村の常に笑みを称えた口元と涼しげな目元、そして所作の美しさ。既存の俳優にはない圧倒的な存在感がこの作品を支えている。 |
| ポイント | ★★★ |
| DATE | 03/10/4 |
| THEATER | 109シネマズ港北 |
| 監督 | 滝田洋二郎 |
| ナンバー | 123 |
| 出演 | 野村萬斎/伊藤英明/今井絵理子/深田恭子/中井貴一 |
| 批評 | ネタばれ注意! 結末に触れています 野村萬斎扮する陰陽師・安倍清明のキャラクターで持っているような作品であることは、この「U」でも同じだ。中井貴一が悪役に扮しても、深田恭子が姫を演じても、所詮は野村萬斎の引き立て役。野村の常に笑みを称えた口元と涼しげな目元、そして所作の美しさ。既存の俳優にはない圧倒的な存在感がこの作品を支えている。 物語は都に日食が起きた直後から鬼が跳梁跋扈し始め、体の一部を食いちぎられて殺されるという事件が続出する。清明が調査を始めると、そこには大和朝廷に滅ぼされた出雲の王が復讐のためにわが子を鬼に変え、都を滅ぼそうとしていることが判明する。 大和が出雲を攻めた理由が「鉄器を扱う高度な技術を持っていることが謀反につながる」というもの。なんかこのあたり「大量破壊兵器を保持しているかもしれない」という理由で米軍に滅ぼされたイラクのようだ。その後、残党がテロに走るというのも。このあたりだけ見ていると、出雲はむしろ大和の謀略に嵌った被害者で、天照の正当な後継者だあるがゆえに大和に滅ぼされたと考えられる。つまり、大和朝廷は自らの政権基盤となる帝の正当性が出雲の存在によって否定されかねないから闇に葬ったのだ。 そう考えると鬼は大和の方ではないのだろうか。鬼となる少年・須佐は本来幻角のいうとおり神のなるはず。だからこそ、人を食らう鬼になった須佐は、あのような醜い形相ではなく、美しい外見にするべきではないだろうか。あの姿ではどうしても「悪」にしか見えない。もちろん、大和の視点で描けば鬼なのだろうが、神々しい美しさを持った鬼が大和の人を食い散らかすという図にしたほうが、映画としてもインパクトがあったはずだ。前作の真田広之にしてもこの作品の中井貴一にしても二枚目俳優にあえて汚れた扮装をさせているが、次回作では美と結びついた悪を登場させてもらいたいものだ。 |