シモーヌ SIMONE |
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| 寸評 | コメディと思えばアル・パチーノのドタバタした演技も無理なく受け入れられるが、スタイリッシュな映像にこだわるあまり彼ひとり浮いてしまった。ウィノナ・ライダーが生身の人間の演技力を見せてくれたのが救いだった。 |
| ポイント | ★★* |
| DATE | 03/9/13 |
| THEATER | 109シネマズ港北 |
| 監督 | アンドリュー・ニコル |
| ナンバー | 114 |
| 出演 | アル・パチーノ/レイチェル・ロバーツ/キャサリン・キーナー/ウィノナ・ライダー |
| 批評 | ネタばれ注意! 結末に触れています 映像表現の技術革新は日進月歩で進化していく。CGを映像の修正やスタントの代わりに使っているうちはよいが、この作品のように主演女優をすべてバーチャルで作り上げることは越えてはいけない一線に踏み出したような気がする。だが、このようなことは技術的には可能になっているはずだ。人間が演じるからすばらしいと思うのだが、人間が演じるとおりにCGが演じることができたらその境界線はどこにあるのだろう。 スランプに陥っている映画監督・タランスキーは画期的なCGソフトを手に入れ、バーチャル女優・シモーヌを生み出す。わがままで降板した女優の代わりに窮余の一策としてシモーヌを使うが、シモーヌの人気は爆発、ついにアカデミー賞まで受賞する。彼女を追い回すマスコミや関係者をよそにタランスキーはシモーヌの正体をひた隠す。 その後は、シモーヌを隠し続けることに疲れたタランスキーが最後に一芝居打つがそれがあらぬ誤解を招いてしまうというもの。しかし、後半の展開はアル・パチーノの演技がやたら大げさになるだけで空回りしているという印象は否めない。このあたりもう少しコメディと割り切ってしまえば彼のドタバタした演技も無理なく受け入れることができるのに、あくまでスタイリッシュな映像にこだわるあまりちぐはぐになってしまった。じぶんの作り上げたバーチャル女優に恋をしてしまい、二人だけの世界に隠棲するくらいのファンタジーにしてもよかったはずだ。 シモーヌはただタランスキーの仕草と言葉をまねるだけ。いくら意思を持っているようでもタランスキーがコマンドを入力しないと力なくうつむいたままだ。どうせ人間が演じるべき役柄をCGにやらるという一線を越えたのだ。絵空事を見せるのなら、シモーヌにも自我が芽生えるぐらいの思い切りが必要だった。ウィノナ・ライダーが生身の人間の演技力を見せてくれたのが救いだった。 |