セクレタリー SECRETARY |
|
![]() |
|
| 寸評 | 冒頭、拘束棒に両手をつながれた秘書が書類やコーヒーを持って部屋や廊下を流れるような動きで移動するシーンは、これから始まる物語が尋常ならざるものだと予感させる。しかし、それは最後まで続かない。 |
| ポイント | ★★* |
| DATE | 03/7/23 |
| THEATER | シネマスクエアとうきゅう |
| 監督 | スティーブン・シャインバーグ |
| ナンバー | 92 |
| 出演 | マギー・ギレンホール/ジェームズ・スペイダー/ジェレミー・デイヴィス |
| 批評 | ネタばれ注意! 結末に触れています 冒頭、拘束棒に両手をつながれた秘書が書類やコーヒーを持って部屋や廊下を流れるような動きで移動するシーンは、これから始まる物語が尋常ならざるものだと予感させる。自傷癖があり、心が傷つきやすい女がどうやって精神的病を克服していくか。それは、自分が傷つくことをに嫌悪感を感じないようにすること、つまり傷ついたことを受け入れるという複雑な作業が必要になるのだ。 ヒロイン・リーが社会復帰を果たすために見つけた職業は弁護士の秘書。電話番とタイプするだけの仕事だが、雇い主・グレイは変わった性癖の持ち主で、タイプのつづりミスを指摘する時にリーのお尻を叩いたことから、リーはグレイに惹かれるようになる。自分の体を自分で痛めつけることはあっても、他人から痛い思いを受けたことがなかったリーは、このとき目覚めるのだ。自分を肉体的に傷つけてくれる男に出会って、傷つく自分を受け入れられるようになる。 このあたり、リーが自分でも知らなかった自分の性癖をグレイによって開花させられるところまでは、映画もミステリアスな雰囲気をまとっていて楽しめる。リーの視点で描かれているが、グレイもまた自分の性癖にあった女にやっとめぐり合えたのだろう。ただ、その後の展開が取ってつけたようで苦し紛れのように感じる。リーは自分の気持ちに目覚めたのに、なぜか幼なじみの男と結婚しようとする。ところが結婚式の当日に逃げ出して、ハンガーストライキに入りグレイが助けてくれるのを持つのだ。 このあたりから映画はコメディタッチに変わってしまい、ミステリアスな装いを解く。そしてお決まりのハッピーエンド。リーとグレイの2人がお互いの心の中に持っていた闇の部分がすべて光に照らし出され、プラスに働いてしまう。どうせなら、とことん心の闇を描いて欲しかった。 |