人生は、時々晴れ ALL OR NOTHING |
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| 寸評 | この作品の登場人物たちはみな負け犬だ。人生とは苦悩と絶望以外のなにものでもない。だが、小さくても目標をもてば、人生は自分で切り開くことができるし、その先に希望が見えてくることをこの作品は教えてくれる。 |
| ポイント | ★★★* |
| DATE | 03/6/26 |
| THEATER | シャンテ・シネ |
| 監督 | マイク・リー |
| ナンバー | 81 |
| 出演 | ティモシー・スポール/レスリーマンヴィル |
| 批評 | ネタばれ注意! 結末に触れています 登場人物たちにとって、人生とは苦悩と絶望以外のなにものでもない。低所得者向けのアパートに暮す3家族の日常に焦点を当ててている。追いかけるべき夢もなく、生きていくための目標もない人々。働き者の母親の娘は暴力男に妊娠させられ、無職の母娘はひまを持て余している。4人家族を持つタクシー運転手ですら、スーパーのレジうちをする妻にはさげすまれ、娘は介護ホームで働いているものの息子は働く意志すらない。映画はこれらの人々の日常生活を丹念に描く。 作品を支配しているのは現在と未来に対する閉塞感だ。裕福ではないが衣食住に困っているわけではない。それでも将来に対し何の希望も持てない。人生を楽しもうという姿勢もない。あるのは何をしても何も変わらないというあきらめだけ。それでも積極的に行動を起こせば何らかのリターンがあるはずなのに、最初からあきらめている。結局は負け犬根性に染まった人々なのだ。 しかし、フィルの息子が心臓発作を起こしたことで状況は一変する。ばらばらだった家族がそれをきっかけに、自分の気持ちの中を打ち明ける。妻は甲斐性ナシのフィルを責めるが、フィルは妻のそういう態度を責める。登場人物の中で自分の人生をいちばんあきらめ、自分を抑えて生きてきたフィルが、初めて自分の気持ちを正直に告白するシーンには泣ける。この、プライドも生きる意欲も無くしたような男でも、少しの思いやりと愛情で立ち直ることができるのだ。 この作品は、こうした人々を救うために政府は何もしてくれないと、声高に叫ぶようなありきたりの構成ではない。むしろ、負け犬根性に染まった人々に、もっと自助努力をしろと呼びかけている。延々と沈滞した日常のあと、最後に希望を見出せるような展開にしたのも、自分の人生は自分で望んで切り開いていかなければいけないということを、さりげなく主張しているのだ。フィルはディズニーワールドで休暇を取るためにカネをためると宣言する。どんなに小さな目標でも、それがあれば人間は頑張れるのだ。 |